2021年10月19日 ロンドン(英)
クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社
イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する世界的リーディングカンパニーのClarivate plc(NYSE:CLVT)は、本日、G20参加国の研究業績を視覚的に検証する新しいレポートを発表しました。また、Web of Science™の研究論文・引用インデックスに掲載されているG20メンバーのCOVID-19研究に関する特別な分析も含まれています。
本レポートThe Annual G20 Scorecard – Research Performance 2021は、10月30-31日にイタリアのローマで開催される今年のG20サミットに先立ち、クラリベイトのInstitute for Scientific Information™が作成しました。レポートでは、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、トルコ、英国、米国の研究業績の概要について、文章およびグラフや図表で説明しています。
レポートでは、COVID-19に対する各国の対応の違いと、各地域の研究への投資やテーマの多様性との関連性に焦点を当てています。その結果、特に米国、ドイツ、英国など、研究基盤が均等な地域では、より幅広いCOVID-19のテーマへの対応をサポートする傾向があることがわかりました。研究基盤が均一でない他のG20諸国は、より専門的な対応をする傾向があります。注目すべき例外として、ブラジルがあります。ブラジルでは、研究基盤の多様性が低いにもかかわらず、COVID-19に力強く対応しており、これは、ブラジルの研究ポートフォリオ、特にバイオサイエンスに関する強みを反映したものです。
クラリベイトのInstitute for Scientific Informationのディレクターであり、本レポートの共著者であるJonathan Adamsは次のように述べています。「G20会議は、国際協力のための重要なフォーラムです。世界の主要経済国が現在および将来の課題に対処するために、その専門知識と資源をどのように活用しているかを理解することは、ますます重要になっています。COVID-19研究の全体的なパターンとして、経済と同様、各国のポートフォリオの多様性が迅速かつ機敏な対応を可能にするということを明確に示しています。これらのスコアカードは、政策立案者、オブザーバー、メディアなどが、この世界の危機において、そしてその後について、G20参加国の強みと機会を理解するのに役立つものです」と述べています。
本レポートで示すデータは各国の研究の現状を示すものであり、政策的にも関心が高い情報に焦点を当てています。影響力のある研究に寄与する主な要素が国ごとにまとめられています。
主な調査結果を以下に示します。
– オーストラリアでは、卓越した国際共同研究により、10年間で論文数が倍増し、引き続き増加している。
– ブラジルでは、国内でも国際共同研究でも論文数が増加している。オープンアクセスの研究成果は、ほとんどの分野で非常に高く、特に国際的な論文が多い。
– 中国は、膨大な研究人材と多額の投資を誇っている(200万人以上の研究者、研究開発に対する総支出GERDはGDPの2%以上)。国内の研究基盤はあらゆる分野で多様化しており、強固な技術基盤のもと、社会科学への注力が拡大している。
– ドイツでは、研究開発への投資額(GERD)がGDPの3%以上とEU近隣諸国よりも高いが、研究者一人当たりの生産量はG20の平均程度である。研究の被引用インパクトは比較的良好で、特にライフサイエンス分野では、世界トップ10%に入る論文において14%のシェアを占めている。
– イタリアでは、GERD あたりの生産性は G20 平均を大きく上回っている。被引用インパクトはすべての分野で良好で、国内研究の影響力は高まっている。一方、平均的なパフォーマンスは、全論文の55%を占める国際共同研究によってさらに高められている。
– メキシコの研究投資は低く、減少し続けている(GERD/GDP は 0.28%)が、論文数は、高い生産性に後押しされて増加している。国際的な共同研究を含めて、被引用インパクトは低調である。
– 南アフリカの生産性は高く、論文数も上昇している。分野を問わず、オープンアクセスによる発表が常に高いレベルで行われており、女性研究者の割合が2番目に高い国である(45%)。
– 韓国では、研究人材の多さと G20 で最も高い GERD/GDP(4.6%)、優れた民間部門の資金提供や活動を反映して、工学分野での力強い学術的成果につながっている。すべての分野で、オープンアクセスによる論文発表のレベルが上昇している。
– 英国では、トップ 10%論文の割合は、G20 の中で最も高い(16.2%で増加中)。国際的な共同研究は、大きな経済規模にしては例外的に高く、増加している。女性研究者の割合(39%)は、G20 平均を上回っている。
– 米国では、研究開発への投資は増加しているものの、論文数は停滞しており、論文数/研究者数はG20平均を下回っている。
クラリベイトのSVP Strategy, ScienceのJoel Haspelは次のように述べています。「世界で最も経済力のある国々は、社会の発展を支える研究とイノベーションの推進力となっています。クラリベイトの科学情報研究所は、G20各国の研究ポートフォリオを比較分析し、報告することができるユニークな機関です。Web of Scienceのデータを、人材、財務、特許などの主要な指標と合わせることで、パンデミック、気候変動、男女共同参画など、世界が直面するさまざまな課題に取り組む上での各国の役割をより深く理解することができます。G20のパフォーマンスに関する議論に貢献することで、クラリベイトのデータはイノベーションを加速させ、世界的な問題の解決に貢献し続けています」。
G20は、19の主要経済国からなるグループであり、20番目のメンバーとしてEUが加わっています。G20の19カ国を合わせると、世界の人口の3分の2を占め、世界のGDPの80%を生み出し、世界の研究開発費の93%を費やし、世界の研究者の89%を雇用し、Web of Scienceに掲載されている世界の研究論文の83%を発表しています(過去3年間で500万件以上の論文とレビューが索引付けされています)。
科学情報研究所のグローバル・リサーチ・レポートの全リストはこちら: https://clarivate.com/webofsciencegroup/solutions/isi-reports/
Clarivate™は、イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する、世界的リーディングカンパニーです。当社の使命は、新しいアイデアから人生を変えるような発明を生む時間を短縮するための、実用的な情報とインサイトを提供することにより、お客様が抱える難題を解決できるよう支援をすることです。サイエンスや知的財産の分野において、基盤となる研究やアイデアから保護、そして商業化に至るまで、イノベーションのライフサイクル全体をカバーする深い専門知識を備えたサブスクリプションおよびテクノロジーベースのソリューションを提供しています。詳細については、clarivate.comをご覧ください。
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