DNSで急増するブロックチェーン関連ドメイン

DNSで急増するブロックチェーン関連ドメイン

Chris Niemi
Manager, Domain services, MarkMonitor

 

2018年9月6日

ブロックチェーンテクノロジーや個人情報保護ポリシーの拡大に伴い、.BIT、.ETH、.COIN、.LIBなど、ブロックチェーンテクノロジーに基づく分散型のドメインは更新されてきました。これらの 「ドメイン」 は、本当の意味のドメイン名ではなく、ICANNのDNSを取り入れていません。しかし「ウォレット」 に直に接続するなど、仮想通貨保有者の活動をサポートしています。元々、これらのドメインの使用は最低限の範囲に留められていましたが、最近では、新gTLDのネームスペースや、「本当のDNS」にさまざまな影響を与え始めています。

 

先日、新レジストリオペレーターであるThe Best SASが、「クラス最高の製品やサービスをレビューするとその報酬として仮想通貨『.BEST』を与える、分散型SEOソーシャルネットワーク」 に使用する.BESTというトップレベルドメインを取得しました。これは、侵害監視を行うべき新たなネームスペースです。値下げを意図して取得されたものですが、これによってTLDにおける商標侵害のリスクが上がります。

 

現在、サンライズ期間にあるEthereumブロックチェーン関連のTLD「.LUXE」は、「Ethereumブロックチェーンのイノベーションとセキュリティに、現代社会向けの利便性を組み合わせて開発」されました。このドメインは、従来の方法(ウェブサイト、メールなど)に加え、.ETH(Ethereum)の仮想通貨ウォレットや分散型アプリアドレスとして使用することができます。2018年9月21日までに.ETHドメインを確保済みの既存.ETH所有者に限り、サンライズ直後の10月9日~25日にかけて.LUXEドメイン名を取得できる限定登録期間がありますので、ブランド保有者の皆様には留意いただければと思います。

 

.ETH 「ドメイン」 は、従来のドメイン名をIPアドレスに変換するDNSのように、Ethereumブロックチェーンの暗号化アドレスを、ランダムな数字と文字から成る長い文字列ではなく、人間が判読できる 「ドメイン」 に変換するための手段に過ぎません。ただし、.ETHドメインにアクセスするには、特殊なブラウザを使用するか、通常のブラウザにブラウザ拡張機能をインストールする必要があります。.ETHという 「TLD」 は、ICANNによって保証も管理もされておらず、仮想通貨そのもののように、元々は政府の規制や、ハッキング、ウェブサイトのサイジング、検閲などを免れるドメイン名を登録する手段として作られたものです。

 

現時点において、MarkMonitorは分散型ドメインを提供していませんが、.LUXEネームスペースで登録する可能性がある方は、.ETH所有者が.LUXEの始動とともに競って登録を行う可能性があることを認識しておきましょう。そのため、MarkMonitorは、サンライズ期間中(現在から10月8日まで)に、Trademark Clearinghouse(TMCH)のSMDファイルを利用して登録申請することを提案いたします。.ETHドメイン所有者の方は、MarkMonitorまでご連絡ください。

 

TMCHやドメインポートフォリオの検討、またそれらのTLDの戦略開発にサポートが必要な場合は、至急、担当の、ドメインクライアントサービスマネージャーまでお問い合わせください。また、MarkMonitorは、引き続き.ETHや分散型ドメインのネームスペースを監視し、お客様に最新情報をお届けしていきます。ご質問がございましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。

 

 

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