2020年の「引用栄誉賞」受賞者を発表

クラリベイト、2020年の「引用栄誉賞」受賞者を発表

ノーベル賞クラスの研究者リストに2名の日本人研究者が新たに名を連ねる

 

これまでに54名の「引用栄誉賞」受賞者がノーベル賞を受賞

今年は日本からの受賞者2名を含む、新たな24名の受賞者を発表

 

 

2020923日(ロンドン(英)、フィラデルフィア(米))

イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する世界的リーディングカンパニーのClarivate plc(NYSE:CCC)は同日、本年度の引用栄誉賞(Citation Laureate)に選ばれた、世界6カ国24名の世界的な研究者引用栄誉賞受賞を発表しました。受賞者は皆、Institute for Scientific Information™ (ISI)の分析により、その研究成果が、「ノーベル賞クラス」と見なされる研究者です。

 

ISIのアナリストは、2002年以来、毎年Web of Scienceのデータを活用し、ノーベル賞と同様に医学・生理学、物理学、化学、経済学分野において、影響力のある研究者を特定しています。1970年以降、Web of Scienceに掲載された約5,000万件の論文やプロシーディングのうち、2,000回以上引用されているのはわずか5,700件(0.01%)に過ぎません。これらの論文の著者の中から、引用栄誉賞が選ばれます。これらの研究者の研究論文は頻繁に引用され、科学分野に極めて大きく貢献しており、時には社会に変革をもたらします。

 

2020年10月初旬、ノーベル委員会は学術分野最高の栄誉を授与するための投票を行います。この、年に一度の儀式は世界的な憶測を呼びますが、クラリベイトは、定性評価に加えて定量的なデータを使用することで、誰が選ばれるかについて価値あるインサイトを提供する唯一の組織です。これまでに、Hall of Citation Laureatesに掲載された受賞者のうち54名がノーベル賞を受賞しています。

 

ClarivateのSVP Strategy, ScienceであるJoel Haspelは次のように述べています。”今年の受賞者は、男女間の賃金格差、ナノ結晶、銀河の形成方法など、さまざまなテーマについて人類の理解を深めてきました。彼らは、個別化医療やワクチン開発の進歩により、臨床医療の境界線を押し広げてきました。私たちは、彼らの計り知れない業績を称え、それを称えることができて嬉しく思います。

 

Institute for Scientific InformationのSenior Citation AnalystであるDavid Pendleburyは、次のように述べています。”2,000回以上引用されることは稀なことです。 非常に高い被引用回数を誇る論文の著者は、通常、国立科学アカデミーのメンバーであり、大学やその他の研究機関で上級職に就いており、その分野で多くの国際的な賞を受賞しています。実際、彼らの中には自分の研究分野の発展に貢献している人もいます。これらの「科学界のエリート」の中には、ノーベル賞を受賞した研究者もおり、毎年、文献の引用、研究コミュニティを通じた影響力、そしてピア・ジャッジメントの関連性を実証しています。”

 

2020年の受賞者と受賞理由は以下の通りです。

 

医学・生理学

中村  祐輔

公益財団法人がん研究会 がんプレシジョン医療研究センター 所長(日本)

東京大学 名誉教授(日本)

シカゴ大学 名誉教授(米国)

 

遺伝的多型マーカーの開発とその応用による先駆的な研究とゲノムワイドな関連研究への貢献により、個別化がん治療の先駆けとなったことに対して

For pioneering research developing and applying genetic polymorphic markers and for contributions to genome-wide association studies, both heralding personalized approaches to cancer treatment

Pamela J. Bjorkman

カリフォルニア工科大学(米国)

 

Jack L. Strominger

ハーバード大学(米国)

 

分子免疫学における画期的な発見であり、その後の創薬・ワクチン開発へ貢献した主要組織適合性複合体(MHC)タンパク質の構造と機能の同定に対して

For determining the structure and function of major histocompatibility complex (MHC) proteins, a landmark discovery in molecular immunology that has contributed to drug and vaccine development

Huda Y. Zoghbi

テキサス小児病院, ベイラー医科大学(米国)

 

レット症候群の遺伝的起源を含む神経疾患の病態に関する発見に対して

For discoveries on the pathogenesis of neurological disorders including the genetic origins of Rett syndrome

 

 

物理学

Thomas L. Carroll

アメリカ海軍調査研究所(米国)

 

Louis M. Pecora

アメリカ海軍調査研究所(米国)

 

カオス系の同期化を含む非線形力学研究に対して

For research in nonlinear dynamics including synchronization of chaotic systems

Hongjie Dai

スタンフォード大学(米国)

 

Alex Zettl

カリフォルニア大学バークレー校, ローレンス・バークレー国立研究所(米国)

 

カーボンナノチューブと窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)の製造と新規応用に対して

For fabrication and novel applications of carbon and boron nitride nanotubes

Carlos S. Frenk

ダラム大学(英国)

 

Julio F. Navarro

ビクトリア大学(カナダ)

 

Simon D.M. White

マックス・プランク天体物理学研究所(ドイツ)

 

銀河の形成と進化、宇宙構造、ダークマターハローなどの基礎研究に対して

For their fundamental studies of galaxy formation and evolution, cosmic structure, and dark matter halos

 

 

化学

藤田

東京大学大学院 工学系研究科 卓越教授(日本)

自然科学研究機構 分子科学研究所 卓越教授(日本)

 

自然界に学ぶ自己組織化物質創成と超分子化学への貢献に対して

For advances in supramolecular chemistry through self-assembly strategies that take inspiration from nature itself

Moungi G. Bawendi

マサチューセッツ工科大学(米国)

 

Christopher B. Murray

ペンシルベニア大学(米国)

 

Taeghwan Hyeon

ソウル大学校(韓国)

 

物理的、生物学的、医学的システムにおいて応用範囲の広い精密特性を持つナノ結晶の合成に対して

For synthesis of nanocrystals with precise attributes for a wide range of applications in physical, biological, and medical systems

Stephen L. Buchwald

マサチューセッツ工科大学(米国)

 

John F. Hartwig

カリフォルニア大学バークレー校(米国)

 

有機金属化学への貢献に対して、特にパラジウム触媒によるアミンとアリールハライドのカップリング反応により炭素窒素結合を形成するブッフワルドハートウィッグアミノ化への貢献に対して

For contributions to organometallic chemistry, notably the Buchwald–Hartwig amination which forms carbon–nitrogen bonds through palladium-catalyzed coupling reactions of amines with aryl halides

 

 

経済学

David A. Dickey

ノースカロライナ州立大学(米国)

 

Wayne A. Fuller

アイオワ州立大学(米国)

 

時系列分析における単位根の統計的検定に対して

For statistical tests of a unit root in time-series analysis

 

Pierre Perron

ボストン大学(米国)

 

非定常時系列の統計解析に対して

For the statistical analysis of non-stationary time series

Claudia Goldin

ハーバード大学(米国)

 

労働経済学への貢献、特に女性と男女賃金格差の分析に対して

For contributions to labor economics, especially her analysis of women and the gender pay gap

Steven T. Berry

エール大学(米国)

 

James A. Levinsohn

エール大学(米国)

 

Ariel Pakes

ハーバード大学(米国)

 

需要推定のためのBLPランダム係数ロジットモデルに対して

For their BLP random coefficients logit model for demand estimation

 

ボストン大学のPierre Perron経済学教授は、引用栄誉賞の受賞について次のようにコメントしています。”それは私が望むことができた最高の名誉です。私がとても感謝している理由は、それが事実に基づいているからです。私にとって重要なのは、経済学者として応用に役立つ研究を行うことです。一部の人だけにアピールするような過度に技術的な論文を発表するのではありません。私は根っからのプロレタリアンです。その意味では、エリート社会の選挙よりもずっとやりがいがあります。私は早い段階で自分の研究課題を持ち、主に博士課程の学生と一緒に研究することを決めていました。それがうまくいったので、私はこの仕事、専門職への影響、そして私が一緒に仕事をしたすべての学生への影響を誇りに思っています。

リストの選出方法についての詳細やこれまでのHall of Citation Laureates をご覧になりたい場合は、こちらをご覧ください。 https://clarivate.com/webofsciencegroup/solutions/citation-laureates/

 

これまでの日本人受賞者一覧

 


 

クラリベイトについて

Clarivate™は、イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する、世界的リーディングカンパニーです。弊社は、基盤となる研究やアイデアから保護、商業化に至るまで、イノベーションのライフサイクル全体をカバーする深い専門知識を備えたサブスクリプションおよびテクノロジーベースのソリューションを提供しています。弊社は、お客様の新しいアイデアをより速く革新的なイノベーションに変えていくための画期的な道筋を切り開いています。弊社のポートフォリオはWeb of Science™, Cortellis™, Derwent™, CompuMark™, MarkMonitor™, Techstreet™ など、世界で最も信頼されている情報ブランドで構成されています。詳細については、clarivate.jpをご覧ください。

 

Institute for Scientific Informationについて

クラリベイトのInstitute for Scientific Information (ISI)™は、半世紀以上にわたり、世界の研究情報の組織化に先駆的な役割を果たしてきました。今日、ISIは、科学情報の検索、解釈、有用性を向上させながら、研究の完全性を促進することに尽力しています。クラリベイトは、Web of Science™インデックス、関連情報、分析コンテンツ、サービスを構築するための知識コーパスを維持し、イベント、会議、出版物を通じてその知識を外部に発信する一方、知識ベースを維持、拡張、改善するための一次研究を実施しています。詳細はこちらをご覧ください。

https://clarivate.com/webofsciencegroup/solutions/isi-institute-for-scientific-information/

 

将来の見通しに関する記述について

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本リリースは、Clarivateが2020年9月23日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳再編集(一部追記を含む)したものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

 

本件に関する問い合わせ先

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