2018年夏の著作権侵害情勢を振り返る
Zachary Wolf
Portfolio Marketing Manager, MarkMonitor
2018年10月21日
夏が過ぎてすっかり秋めいてまいりました。今年夏の著作権侵害情勢を振り返りたいと思います。6月1日から8月31日にかけ、デジタルコンテンツの著作権侵害に関するグローバル指標(Global Digital Piracy Index:GDPI)に基づき、420本以上の人気映画やテレビ番組をモニタリングしました。この分析の一環として、全体的な侵害状況や、著作権侵害が最も多かった地域とその形態に注目しました。
MarkMonitorが専有するGDPIデータベースは、オンライン上で著作権侵害コンテンツが使用されている状況について詳しい情報を抽出することができます。独自のモニタリングで、ファイル共有の傾向について、全容を把握することが可能になります。このデータを利用して、世界的な著作権侵害の分布を検討し、適切なオンラインブランド保護戦略について提案したいと思います。まずはデータを検討しましょう。
侵害総数
BitTorrentを中心とするファイル共有状況に注目すると、合計16億9千万件という10億の桁に届く、膨大な数のユニーク侵害数を確認しました。驚異的な数字です。この内訳を詳しく検討していきましょう。


海賊版のフォーマット

膨大な数の侵害にどう対応するか
侵害数が10億の桁まで届き、世界中に拡大しているネットワークで、高画質のコンテンツへ早期アクセスすることも可能になっていることを考えると、この問題に対応するのは困難にみえます。どのような対策が必要になるのでしょうか。
海賊版対策:
- 直面している問題を全体的に検討し、戦略的な提案をできる業界専門家からの協力やグローバルサポートを仰ぐ必要があります。費用対効果を考慮して戦略を設計サポートできる専門家と協力してください。
- データから明らかになったパターンや知見を活用できるテクノロジーで、迅速な対応が可能です。著作権侵害者がコンテンツにアクセスすることを防ぐことが何よりも重要であり、時間との戦いとなります。
- 著作権侵害対策を実行しても、終わりではありません。GDPIから提供されるような業界レベルのデータをお役立てください。貴社のプロモーション、マーケティング、流通、事業開発戦略に関する貴重な情報です。
- 著作権侵害に関するデータも、オンライン上の貴社コンテンツの使用状況を知ることができる貴重な情報源です。重要な事実を見落とさないよう活用しましょう。
著作権侵害の状況は変化していますが、ファイル共有の状況が、全体的な著作権侵害に影響し続けていることは間違いありません。Sandvineが発表した最新の『Global Phenomena Report』(世界的な現象に関するレポート)によると、BitTorrentの脅威が舞い戻ってきているようです。消費者を正規のチャネルに戻し、費用対効果を高める戦いは、まだまだ続きます。
本ブログの執筆にあたり、Deividas Slivinskas氏にご協力いただきました。