誰もが著作権侵害者になり得る新時代

誰もが著作権侵害者になり得る新時代

Zachary Wolf
Portfolio Marketing Manager, MarkMonitor

 

2018年6月18日

次世代の海賊版コンテンツは、多くのユーザーにとって抗いがたいものになっています。テレビ番組、映画、音楽、ゲームへ無制限にアクセスできるパッケージが登場し、洗礼されたインターフェイスで作られたコピー品は、場合によっては正規のストリーミングサービスよりも使いやすいものもあります。

 

OTAストリーム、アドオン、SNS、ライブストリーミング投稿は、著作権侵害の形を変えています。もはや侵害は、テクノロジーに精通したユーザーが、違法なトレントサイトから最新の漏洩データを手に入れるだけには留まりません。トレントサイトから海賊版を視聴するなどと考えもしなかった人や、「Cyber Locker」が何かすらわからない人が、ストリーミングデバイスでデータを読み込み、ウェブブラウザやモバイルアプリから盗まれたコンテンツにアクセスしています。

 

ネットワーク機器メーカーSandivineのスポークスマンであるダン・ディース(Dan Deeth)氏は、Wiredの記事の中で次のように述べています。「Kodiやプラグインシステム、またこうしたプラグインを作った人々によって、プロセスはとても簡単になりました。誰にでも使えてしまいます。1回設定するだけです。」

 

海賊版は非常に大きな影響を及ぼしています。最近の研究によると、北米のテレビの6.5%が、既知の海賊版定額制サービスにアクセスしていることが判明しました。年間42億ドル相当、700万人が、正規のチャネルではなく、海賊版に流れていることになります。これは検知された数に過ぎず、他にも何百万人もの人々が違法コンテンツに不正アクセスしている可能性があります。

 

残念なことに、こういったチャネルにより海賊版コンテンツが新しい視聴者を獲得してしまっていますが、ユーザーを正規コンテンツの利用者に変えることは可能です。料金の支払いを厭わない人々に焦点を当て、そうした海賊版で視聴するユーザーを正規のユーザーに戻すことができます。例えば、「レコード音楽の価値を高める、レコード製作者の権利を守る、レコード音楽の商業利用を拡大する」を世界的ミッションとする国際レコード製作者連盟(International Federation of the Phonographic Industry; IFPI)が2017年に発表したレポートでは、デジタル市場の収益が94億ドル(19.1%)増加したしことがわかりました。正規のサービスに金銭を支払うのをためらわず、実際、著作権侵害者も定評あるサービスを利用していることが多いのです。

 

支払いを厭わないのに、なぜ海賊版が増加しているのでしょうか?

最も一般的な回答は、アクセスが難しい、リリースが遅い、地域・使用許諾などの問題、視聴したいコンテンツに、多くの定額サービスを利用する余裕はない(または、利用したくない)というものです。

 

自分には何ができるでしょうか?

コンテンツ不正利用者に対する考え方を変えてください。もちろん、海賊版しか視聴しないし人も必ず現れ、当然、このような人は貴社に何の利益ももたらしません。しかし、金銭を支払う意思がある人もいます。こうした人たちこそ、対象とするべき視聴者なのです。

 

ヒント:

  • 貴社コンテンツにアクセスできるチャネルをすべて伝えてください。
  • 魅力的な価格設定は、サービスを切り替えてもらう際のハードルを下げます。
  • 正規コンテンツの利点(高画質、途切れないアクセスなど)を強調してください。
  • 海賊版を視聴するユーザーは犯罪者ではなく、いずれ正規コンテンツに乗り換えてくれるユーザーだと思って働き掛けてください。

保護という点から、最新の著作権侵害の脅威に対抗する最適な戦術があります。

  • 業界の変化に適応しているサービスプロバイダ―を利用してください。デジタル著作権を侵害しているコンテンツにどのように、誰がアクセスしているかを把握すれば、計画を立てやすくなります。
  • 新興チャネルの数はあまりにも膨大で、テクノロジーなくして監視を行ったり、法的措置を講じたりすることはできません。必ず、チャネルに対応でき、最新のスキャン、ウォーターマーキング/フィンガープリンティング、削除、レポート手法を取り入れているパートナーと協力してください。
  • プラットフォームからISPまで、世界的な提携関係を築いてください。著作権侵害コンテンツを削除するには、グローバルネットワークの力が極めて重要であり、成功率を上げることができます。

新たな課題に対処できる優れたパートナーが、これまでになく重要です。詳しくは、MarkMonitorにお問い合わせください。

 

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