欧州における不正コンテンツ対応

欧州における不正コンテンツ対応

Zachary Wolf
Portfolio Marketing Manager, MarkMonitor

2019年3月11日

2005年、ユーザーに面白いオリジナルコンテンツを投稿させることを目的として、YouTubeがスタートしました。そのYouTubeが、エンターテイメントチャネルとして、従来型テレビの競合になるなど、誰も予想していませんでした。実際、Googleの報告によれば、YouTubeはモバイルだけで、他の放送局やケーブルテレビネットワークよりも多くの18~49歳の視聴者層を獲得しています。世界で15億人に上るYouTubeユーザーは、1日あたり5億時間分の動画を視聴しています。

 

このようなオンライン動画の爆発的増加に伴い、コンテンツの著作権侵害も増加しています。たとえば自分で制作していないコンテンツや、共有許可も得ていないコンテンツがアップロードされています。現代のリミックスやサンプリング文化では、完全なコンテンツだけでなく、音楽、動画、画像のスニペットも、そうしたコンテンツに含まれる可能性があります。

 

デジタル単一市場における著作権に関する欧州議会及び理事会指令案第13条により、アップロード時に著作権侵害を取り締まることで、この問題へ対応することが検討されています。この指令の目的は、YouTubeなどのプラットフォームで以下の取り組みを行い、権利者の保護や救済を確保することです。

  • 最善の努力を図り、著作権で保護されるコンテンツの使用許可を取得させる。
  • 過去にこの通知を受けた人は、その不正コンテンツを使用できないようにする。
  • 通知を受けたなら、速やかに不正コンテンツを削除する。

 

欧州委員会は、この指令によって、表現の自由を推進し、ユーザーにヨーロッパでは手に入らなくなった音楽や映画へのアクセスを認め、インターネットユーザーが著作権で保護されるコンテンツを合法的にアップロードできるようにしたいと考えています。欧州議会、欧州理事会、欧州委員会がこの合意に達するまでに2年半を要しましたが、この新ルールは、さらに今年3月か4月に開催される議会で最終的に可決される必要があります。

 

今年中に欧州議会の議決結果が出る見込みですが、その間、コンテンツを安全に保つために取り入れられる方法がありますので、ご紹介しましょう。適切なテクノロジーを利用する、貴社のIPやSNS特有のプログラムをデザインする、また視聴者に正規のコンテンツの場所を教えるなどの対策を取り入れることができます。それでは具体的に見ていきましょう。

 

  1. 適切なツールを使用する。これらのプラットフォームの多くには、著作権侵害に対抗するための専用ツールが搭載されています。たとえば、Facebook Rights Managerは、プラットフォーム上のコンテンツの特定、削除、収益化をサポートする高度なツールです。このツールをしっかり管理し、もしくは他社に委託し、負担を減らしながら、ツールに適切に働きかけることができます。また、これらのプラットフォームを直接スキャンし、著作権を侵害しているコンテンツを探せるツールも必要です。これらのサイトと提携しているベンダーを使用することが理想的です。このような提携を結ぶことで、外部から検索するよりも広い範囲にアクセスすることが可能になるため、貴社の取り組みを大幅に効率化させることができます。
  2. 独自のルールを設定する。自社コンテンツの責任は自社で負い、自社の優先度を反映させたルールを設定しましょう。ビジネスのニーズに合わせてプログラムを調節することで、強制措置、収益化、またプログラムを脱線させ得るありとあらゆる問題について、明確な情報を得ることができます。各プラットフォームのエンゲージメントについて明確なルールを確実に設定し、貴社とベンダーの足並みをそろえることで、著作権侵害コンテンツの削除実現にあたり強力な連携を図ることができます。
  3. 視聴者を教育する。ソーシャルプラットフォーム上に著作権侵害コンテンツが増えるに伴い、視聴者を教育することが大切になります。視聴者に正規のページが存在すること、また正規のコンテンツにアクセスする方法をしっかり伝えましょう。この情報をサイト上でできる限り率直かつ幅広く伝えることで、誤って不正ページに移動してしまうリスクを抑え、他の場所でそのコンテンツを見つけてしまう前に、正規のコンテンツを購入してもらうことが可能になります。

MarkMonitorのツールは、コンテンツ所有者または権利所有者の保護戦略を支援し、オンラインにおけるコンテンツへのアクセス状況や使用状況を監視します。

 

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