ストリーミングに沸く世界で進化する海賊版コンテンツ

ストリーミングに沸く世界で進化する海賊版コンテンツ

Zachary Wolf
Portfolio Marketing Manager, MarkMonitor

 

2018年5月17日

 

 

今日、オンラインで視聴できるコンテンツの長さは、本来、視聴しなければならない長さをはるかに超えています。また、このエンターテイメントを生み出しているのは、従来型の放送局だけではありません。Netflix、Amazon Prime、Huluなども、コンテンツ制作に乗り出しています。実際、Netflixは、2018年を通してオリジナル番組や映画に75億~80億ドルを投資するとしています。

 

コンテンツブームの理由は明らかです。それは視聴者からの需要があるからです。また、現代型のコンテンツプロバイダーが「まとめ買い」を推奨し、視聴者は絶えず、次に観るテレビ番組や映画を探しているのが現状です。2017年にNetflixが実施したアンケート調査によると、すべてのユーザーを合計した1日あたりコンテンツ視聴時間は、合計1億4千万時間に達していることがわかりました。一方、Deloitteの調査から、アメリカ人の3/4近くが、テレビのシリーズ番組を一気に視聴したことがあることが判明しました。

 

ところが、高品質コンテンツが無限に存在することに加え、視聴者の飽くなき需要が原因で、著作権侵害に対する大きな脆弱性が生まれています。たとえば、Amazon Primeに観たい番組を見つけたNetflixの利用者は、定額サービスを追加で申し込むのではなく、海賊版で視聴するかもしれません。また特定の国や地域でしか観ることができないテレビ番組がある場合も、同様に海賊版で視聴する可能性があります。

 

多くのブランドやコンテンツプロバイダーが懸命に著作権侵害に対処しようとしています。特に破壊的な2つの著作権侵害の形があります。1つは、IPTVの著作権侵害です。ここでは、ユーザーは定額料金を支払い(Netflixなどのサービスに支払うのと同様)、海賊版のコンテンツが大量に存在するサービスへのアクセスを取得します。

 

2つ目の著作権侵害の形は、人気のメディアプレイヤー「Kodi」を利用する方法です。このプレイヤー自体は全く合法的なものですが、オープンソースなため数多くのソフトウェア拡張機能が開発され、視聴者が比較的簡単に海賊版のコンテンツを視聴やストリーミングできるようになってしまいました。それに加え、こうしたアドオンの多くが正規のストリーミングサービスと同程度に巧妙に設計されているため、合法的にKodiを利用しているユーザーと、違法な活動に利用しているユーザーを見分けることが難しくなっています。

 

著作権侵害は絶えず進化しているため、ブランドやコンテンツプロバイダーは、その対処方法も確実に進化させる必要があります。ウォーターマークを入れる、早期リリースの配信モデルを強化するなどの対策の他、すべての企業が著作権侵害の影響を低減できる技術ソリューションを導入することが不可欠です。さまざまなツール(MarkMonitor独自のツールを含む)を利用することで、正規のコンテンツと海賊版を見分けることが遥かに容易になり、貴社コンテンツを世界に配信している侵害者の一歩先を行くことが可能になります。

 

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