科学・社会科学分野における世界最高峰の研究者を選出した 高被引用論文著者
リスト2020年版発表

科学・社会科学分野における世界最高峰の研究者を選出した高被引用論文著者
リスト2020年版発表

 

高被引用論文著者はアメリカが最多、
2位中国がシェアを12%に拡大

2020年11月18日、ロンドン(イギリス)発

 

イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する世界的リーディングカンパニーのClarivate plc (NYSE:CCC)は、本日、2020年度の高被引用論文著者 (Highly Cited Researchers) リストを発表しました。このリストでは、特定出版年・特定分野における世界の全論文のうち引用された回数が上位1%に入る論文を複数発表しており、後続の研究に大きな影響を与えている科学者や社会科学者が選出されます。
高い影響力を持つ研究者の選出は、クラリベイトのInstitute for Scientific Information (ISI) に所属するビブリオメトリクスの専門家がデータやその分析結果に基づいて行っています。

 

2020年度の主な選出結果は以下の通りです。

    • 今年は、60を超える国と地域から、さまざまな分野で活躍する6,167名の研究者が高被引用論文著者に選ばれました。
    • 高被引用論文著者を最も多く輩出した国は今年もアメリカで、選出された全著者の41.5%を占める2,650名が選ばれましたが、相対的なシェアは減少を続けています (2019年は44%)。
    • 世界で最も多くの高被引用論文著者を輩出した機関はハーバード大学で、188名の研究者が選出されました。近隣のブロード研究所とマサチューセッツ工科大学からはそれぞれ61名と53名の研究者が選出されています。
    • 中国からの選出は急増を続けており、770名 (12.1%)が選出されました。2019年の636名 (10.2%)から増加しています。2020年は、北京大学、浙江大学がリストの上位に入るとともに、北京の清華大学がランクを19位から躍進させ、トップ10入りを果たしています。
    • シンガポールは、南洋理工大学やシンガポール国立大学に代表されるように、力強い存在感を示しています。
    • ヨーロッパにも良いニュースがあります。昨年は減少していたドイツとオランダからの選出が増加しています。ドイツのマックス・プランク研究所はリストでは5位のままですが、オランダのユトレヒト大学 (27名)とワーヘニンゲン大学 (24名)はどちらもリストの上位層に入りました。スイスのバイオインフォマティクス研究所では、今年、12名の高被引用論文著者が加わりランクが20位上昇しています。
    • 2020年の高被引用論文著者リストには、マックス・プランク感染生物学研究所のエマニュエル・シャルパンティエ氏 (Emmanuelle Charpentier)(化学賞)、カリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ氏 (Jennifer A. Doudna)(化学賞)、マックス・プランク地球外物理学研究所、カリフォルニア大学バークレー校のラインハルト・ゲンツェル氏 (Reinhard Genzel)(物理学賞)の、今年発表された3名を含む26名のノーベル賞受賞者が含まれています。
    • 今年の高被引用論文著者リストには、クラリベイトの引用分析でノーベル賞クラスの研究者であり、受賞の可能性があると認められた66名の引用栄誉賞受賞者も含まれています。
    • 3,896名の研究者は、Essential Science Indicator (ESI)が定める21の研究分野における功績に基づいて選出され、2,493名は複数分野を合算した業績を評価するクロスフィールドカテゴリーで選出されました。一部の高被引用論文著者は複数の分野で選出されており、重複を除くと合計6,167名の研究者が選ばれたことになります。
    • ESIの21分野で高被引用論文著者に選出された研究者のうち、9名の研究者が、3つ以上の分野で高被引用論文著者として選出されるという極めて優れた功績を挙げています。北米、ヨーロッパ、アジア、中東など、世界中から選出されています。
    • オーストラリアの研究機関の目覚ましい躍進が続いています。人口はわずか2,500万人ですが、2020年は305名が選出されています。オーストラリアの研究機関は、近年、非常に多くの高被引用論文著者を採用しているだけでなく、国内出身の高被引用論文著者の数も増えているようです。

 

 

ISIのシニア引用アナリストであるデビッド・ペンドルベリー (David Pendlebury)は、次のように述べています。「知的競争における基本は人的資本であり、このリストは、自身の研究が他の研究者に引用される割合によって評価することで、研究コミュニティに大きな影響を与えている優れた研究者を特定して称えるものです。」

 

 


クラリベイトのサイエンス事業部シニアバイスプレジデントであるジョエル・ハスペルは、次のように述べています。「私たちの分析によると、世界の科学論文と発展は、主にアメリカと中国の貢献によって推進されています。今年の話題は両国の研究の成功についてです。アメリカは依然として世界の科学大国です。過去20年間にわたり研究開発に対して進歩的な姿勢をとる中国は、引用数が多く、影響力の大きい論文を発表し、国際協力を強化し、その研究を貴重な知的財産とイノベーションに変換してきました。」
「中国の研究者はグローバルな研究コミュニティに関与することが奨励されているため、アメリカは大学院の学位を求める留学生の主要留学先となっており、中国の学生はアメリカで最も多い留学生です。彼らの成功と未来は絡み合っています。」

 

2020年の高被引用論文著者全リストと要旨は、こちらからご覧いただけます。

 

評価方法について

2009年1月から2019年12月までの11年間に作成された被引用数の多い論文数に基づいて、科学と社会科学の21分野、および分野横断的なカテゴリから6,000名を超える研究者が選出されました。この選出は、クラリベイトのInstitute for Science Information (ISI)に所属するビブリオメトリクスの専門家により行われます。本データは、InCitesとEssential Science Indicators(ESI)を使用し、世界最大の中立的な学術文献、引用情報データベースであるWeb of Scienceの学術論文数と被引用データに基づき、研究業績基準やトレンドデータを独自に算出しています。

 

クラリベイトについて

Clarivate™は、イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する、世界的リーディンクカンパニーです。弊社は、サイエンスや知的財産の分野において、基盤となる研究やアイデアから保護、商業化に至るまで、イノベーションのライフサイクル全体をカバーする深い専門知識を備えたサブスクリプションおよびテクノロジーベースのソリューションを提供しています。弊社は、お客様の新しいアイデアをより速く革新的なイノベーションに変えていくための画期的な道筋を切り開いています。弊社のポートフォリオは、Web of Science™Cortellis™Derwent™CompuMark™MarkMonitor™など、世界で最も信頼されている情報ブランドで構成されています。弊社は、日本をはじめ、中国、韓国、東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドなど、アジア太平洋地域を含む世界各国で事業を展開しています。

詳細については、clarivate.comをご覧ください。

リリース原文(本社サイトへのリンク)

 

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