個人への攻撃 : ソーシャルメディアの脅威とその将来

個人への攻撃 : ソーシャルメディアの脅威とその将来

Akino Chikada
Senior Portfolio Marketing Director, MarkMonitor

2019年6月26日

ソーシャルメディアは両刃の刀です。ビジネスやブランドの所有者がより顧客を理解し、顧客と関わり合える機会を提供していますが、その一方で、ハッカー、海賊版製造業者、サイバー犯罪者、模倣品業者がブランドを悪用し、顧客と接触する機会も与えてしまいます。

 

スーパーマーケットから航空会社や大手銀行まで、オンライン上の犯罪者は顧客の信用を基に、ソーシャルメディアやメッセージングアプリの信頼性の高いブランド名を悪用してユーザーを捕らえようとします。この事態を放置し、悪化すると、被害者はブランドを非難し、場合によってはブランドに対して否定的なコメントが書かれることがあります。

 

ブランドや個人にとっての脅威は、ソーシャルメディアのプラットフォームがパーソナライズ(個人向け)されていくことによって、ますます高まっていきます。パーソナライズが進むと、データも増え、そのためオンライン上のリスクも増大することになります。

 

 

直接的なアプローチ

ソーシャルメディアには多くの機能があります。利用者は、ネットワーク化し、イベントを設定し、募金活動を行い、オンライン上で物品を売買し、仕事を探すこともできます。より多くの個人データがプラットフォームに取り込まれるにつれて、脅威は個人だけでなくブランドに対しても増大しており、予防的な監視が不可欠になっています。

 

このような状況を踏まえ、予防的ビジネスツールが利用可能となり、プラットフォームに組み込まれるようになりました。たとえば、Facebook Business Managerは、著作権や商標権侵害、または模倣品がないことを確認するために、Facebook Ads、Facebook Marketplaces、Instagramを監視できます。

 

ブランドオーナーは、ソーシャルメディアによるブランド侵害を監視するために、専用の監視ツールにアクセスできるようにする必要があります。可能であれば、プラットフォームから直接監視し、処置できるようになるのが理想です。もしブランドの所有者がすべてのプロトコルに従っていても、問題が解決されないのであれば、プラットフォーム自体と連絡を取り合い、関係を築くことも事態を進展させる一助となるでしょう。

 

オンライン上のブランド保護

進化するソーシャルメディアの状況に対処し、進化するトレンドに対応するためには、オンラインにおけるブランド保護戦略が柔軟かつ機敏であり続けることが不可欠です。

 

ソーシャルメディアのようにペースの速い世界では、契約条件、企業ポリシー、プラットフォームの所有権の変更、合併、新しいプラットフォームの出現などプラットフォームは様々な方法で絶えず進化しています。このような小さな変更や詳細を見逃したことによる影響を考えると、いかに目に見えるトレンドに迅速に適応するということが難しい挑戦であるかがわかるでしょう。

 

すべてのメディアチャンネルの境界が不明確になっているように、ソーシャルメディアもその機能が拡大し、マーケット、広告媒体、パブリックおよびプライベートチャットフォーラムなどになりつつあります。企業側でテクノロジーを利用し、ブランド保護プログラムの一環として、顧客がどのプラットフォームを使用しているか、またそのようなフォーラムでどのように彼らがブランドと交流するのかといった情報が入手できます。

 

別の見方をすると、キャンペーンの実施に注目し、マーケティングの観点から最も重要なソーシャルメディア戦略の優先順位を決定し、顧客がブランド侵害やセキュリティの脅威に最も遭遇する可能性がある場所を特定することも可能です。

 

サイバー犯罪者は、ブランドの侵害やソーシャルメディアを利用した詐欺に関して、注目し、関与を深めています。そのため、ブランド側はオンラインブランドの保護を優先し、ソーシャルメディアの技術とその専門知識の習得に投資する必要があります。特に新たなソーシャルメディアの傾向と脅威を乗り越えるうえでそれは非常に貴重なものとなるでしょう。

 

 

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