モバイルコマース ブランド保護の戦いが始まる

モバイルコマース: ブランド保護の戦いが始まる

Akino Chikada
Portfolio Marketing director, MarkMonitor

 

2018年5月16日

 

現代のスマートフォンは、メールや通話などの基本的な機能の域を遥かに超えて使用されています。アンケート調査に参加した消費者の80%以上が、商品やサービスを購入する際、コンピューターよりもスマートフォンを使用したいと回答しています。購入作業には、商品の検索、価格の比較、店舗の確認が含まれます。これと同時に、世界的なモバイルコマース(mコマース)の収益は、2018年だけで6,690億ドルという、新記録に達することが見込まれています。

 

ところが、特に忙しく動き回る消費者にとって、mコマースでのオンラインショッピングが簡単かつシンプルになったことは、模倣品業者にとってみれば、模倣品を売り、消費者を狙うチャネルが新たに開かれたということにもなるのです。問題は、一部のブランドがまだこのモバイルファーストの動きに追い付いていないという事実を利用し、模倣品業者が多くの消費者を騙しているということです。どの企業にとっても、効果的なブランド保護を実現するにはいくつもの障害を乗り越える必要があり、大変困難かつ不透明な情勢なのです。

 

モバイル専用アプリやマーケットプレイスは、特に難題です。モバイル専用のマーケットプレイスにしか存在しない商品もあれば、その逆もあります。ブランド側は模倣品に対抗するため、さらに多くのチャネルやタッチポイントの対策を強化しなければなりません。また、極めて限られた範囲内で商品やサービスを販売するローカルマーケットプレイスとして、ソーシャルとモバイルコマースが明らかに融合していることもわかっています。これにより、大規模な組織による取り締まりが難航しています。このようなマーケットプレイスは、販売者と購入者に直接やり取りすることを奨励しており、ブランド側が監視を行い、模倣品業者を発見することはほぼ不可能です。

 

上に挙げた問題に立ち向かうことをあきらめてしまうと、他にもいくつかある長期的な課題を無視することになってしまいます。たとえば、毎日のように登場する膨大な数の新アプリを把握するだけで、非常に多くの時間やリソースが奪われることになります。検討すべきチャネルやタッチポイントがあまりにも多く、その多くがデジタルエコシステム内で重なり合うことでオンラインショッピング体験が容易になり促進されていきます。そのため、ブランド保護には包括的なアプローチを取り入れることがこれまでになく重要になっています。ウェブベースのマーケットプレイスやウェブサイト全体を監視すれば十分な時代は終わりました。すべてのブランドが、あらゆるデバイスとシステムのすべてのデジタルチャネルを包含した戦略を開発実行する必要があります。

 

モバイルコマース環境における保護のベストプラクティスとして、積極的な監視、特定、必要に応じた法的処置を確実に行い、これらをサポートするテクノロジーを活用してください。価値が最も高い対象を特定し、貴社ブランドに最も有害な脅威に優先的に対応してください。また、消費者を教育して問題を認識させ、正規の商品を購入できる場所へと誘導することも忘れてはいけません。

 

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