英国のEU離脱ドメイン名登録の新たな挑戦

英国のEU離脱:ドメイン名登録の新たな挑戦

Prudence Malinki
Global Relationship Manager, MarkMonitor

2019年2月12日

2016年6月、英国は歴史的な国民投票を開催し、わずか51.89%から48.11%の過半数で、英国国民はEU離脱を決め、その結果、英国の離脱手続き(「ブレグジット(Brexit)」と呼ばれる)が開始されました。

 

この歴史的な決定以来、「ブレグジットの後悔」(EU離脱支持者がその投票を後悔していること)など、注目すべき展開がありました。2018年12月、欧州司法裁判所は英国にはリスボン条約第50条を取り消し、欧州連合(EU)離脱の決定を一方的に撤回できる権利があるとの判断を示しました。現在、英国は離脱のための「合意」を得ようとしています。

 

離脱交渉には国境管理や市民権を含む様々な合意を確保する必要があり、離脱交渉が成功すれば、英国がどのようにEUを離脱するのか明確になるでしょう。もし交渉が決裂すると、英国は予見不可能な「合意なき」EU離脱シナリオに直面することになります。

 

ヨーロッパの国別コード、トップレベルドメインへの影響は?

.euのレジストリであるEURidは、欧州委員会(EC)によって運営されているため、.euドメイン名はEU圏内に居住する登録者によって所有される必要があります。ECは、「合意なき離脱」の場合は、英国の.euドメイン名登録者はすべて2019年3月30日にそのドメイン名を取り消されるとしています。

 

欧州委員会は一時停止や取消しの「段階的廃止」または段階付けは行わないとしています。 また「合意」によるEU離脱の場合、ドメインの失効は2021年1月1日まで延期されます。それでも欧州委員会は、英国の欧州経済地域または欧州経済共同体のメンバーシップに基づいて英国の登録者を許可することを決定しています。しかし欧州委員会はまだこの手続きが適切かどうかは表明していません。

 

EURidはドメイン登録者に2か月の「契約撤回期間」を認めることに同意しました。「合意なき離脱」の場合、ドメインが「取り消し」になるまでの最終期限は2019年5月30日となります。「合意」による離脱の場合、日付は2021年3月2日になります。

 

EURidのみがドメイン名の削除計画について他のレジストリと議論しています。他のレジストリ(AFNIC、フランスのドメインレジストリ、ハンガリーのドメインレジストリなど)は英国の登録者によるドメイン名を削除しないことを表明していますが、EURidの決定における最終結果を待って、要件を決定しようとしています。

 

ブレグジット(Brexit)による最新情報を入手する

MarkMonitorは、ブレグジット(Brexit)に関連する要件または適性の変更について、クライアントに最新の情報を提供しています。 登録者がEU圏内に実際に居住している、または事業または商標を所有していることを要求する6つのヨーロッパドメインレジストリがあります。MarkMonitorはヨーロッパ中のEURidや他の登録機関と密接に協力、連絡を取り、最新の動向や変更について情報を得られるようにしています。

 

先月、英国議会は最新のEU離脱合意案を否決しました。現時点では、承認または合意されたEU離脱計画はありません。 今後数週間のうちに進展があるかもしれません。今後の投票の結果によって、合意が承認されるか、「合意」または「合意なき」EU離脱になるのかが決まります。別の国民投票と国民投票があるかもしれません。

 

MarkMonitorは英国のEU離脱に対して影響を受ける可能性があるドメイン名を特定し、可能であれば変更を推奨するなどのアドバイスを行っております。ブレグジット(Brexit)後、.euや他のヨーロッパにおけるプレゼンスに必要なドメイン名をどのように保有するか、是非MarkMonitorにご相談ください。

 

 

MarkMonitorのソリューションについてはこちら

英語原文はこちら