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2025年のクラリベイト引用栄誉賞 ノーベル賞クラスの研究とその世界的影響力を表彰

2025年のクラリベイト引用栄誉賞 ノーベル賞クラスの研究とその世界的影響力を表彰

日本、中国初の受賞者をはじめ、世界で22名を表彰

2025年9月25日、ロンドン(英)― 革新的なインテリジェンスを提供する世界的リーディング企業であるClarivate Plc (NYSE:CLVT)は、本日、2025年のクラリベイト引用栄誉賞(Citation Laureates)を発表し、ノーベル賞級の業績を持つ卓越した22名の研究者を発表しました。科学と社会の未来を形づくる先駆的な貢献が認められる研究者が、クラリベイトのInstitute for Scientific Information (ISI)のアナリストにより選ばれました。これまでクラリベイトが引用栄誉賞の受賞者として発表した83名の研究者は、その後ノーベル賞を実際に受賞しています。

クラリベイト引用栄誉賞受賞者の研究論文は、各研究分野で最も多く引用されている論文のひとつであり、分野や国境を越えて卓越した影響力を示しています。本年の受賞者は世界的に喫緊の課題に関わる以下の研究分野の発展に貢献しました。

  • 生理学・医学:白血病、食欲調節、免疫システム
  • 物理学:信号処理、量子コンピューティング、星間化学、画像圧縮
  • 化学:エネルギー貯蓄、グリーンケミストリー、持続可能なエネルギー、細胞工学
  • 経済学:リモートワーク、自動化、格差、貧困、文化や格差が経済に与える影響

2025年の受賞者は世界8か国(地域)に拠点を持つ、世界をリードする学術機関に所属しており、米国に10名、フランスに3名、ドイツ、日本、スイスに各2名、カナダ、オランダ、中国に各1名が在籍しています。なお中国は今回が初の受賞となりました。

中国科学院の会員であり、中国科学院大連化学物理研究所の教授のTao Zhang氏は単原子触媒の先駆的な研究で評価されています。これは、より効率的で持続可能な化学反応を可能にする画期的な成果です。中国からの初の受賞は、世界の科学コミュニティにおける中国の影響力の高まりを反映しています。ISIによる最新のG20の研究・イノベーションスコアカードによると、中国は2024年に約90万報の論文を発表し、G20諸国において研究成果数で首位となりました。これは2015年の発表数の3倍に相当します。

Tao Zhang氏は次のように述べています。「クラリベイト引用栄誉賞を受賞できたことは大変光栄であり、私たちの研究の独創性と国際的な影響力が十分に認められた証です。これまで、私たちは先人の研究者たちの成果を礎として、単原子触媒という概念を創出するに至りました。これからは、より多くの若い科学者たちが私たちの研究を土台として、触媒と化学の分野をさらに高いレベルへと導いてくれることを願っています。単原子触媒と人工知能の融合は、原子レベルで精密な触媒の新たなパラダイムを形成し、合理的な触媒設計を可能にし、世界の新エネルギーおよびグリーン化学産業の発展を加速させると信じています。」
クラリベイトのアカデミア&ガバメント部門でリサーチ&アナリティクスの上級副社長を務めるEmmanuel Thiveaudは次のように述べています。「クラリベイト引用栄誉賞は毎年、各分野に革新をもたらし、大きな社会貢献が認められる研究者を表彰しています。彼らの研究論文は、引用数が多く、大きな影響力を持っています。ノーベル賞受賞の先駆けになることもある先進的な研究者の功績を称えるとともに、彼らがより良い未来の創造に貢献していることを、私たちは誇りに思います。」

2002年以来、ISIのアナリストはWeb of Science Core Collectionに収録される出版物と引用データを活用し、ノーベル賞級の研究成果とその研究者を特定しています。1970年以降、Web of Scienceに索引付けされた約6,400万報の論文や会議録のうち、2,000回以上引用されたのはわずか0.02%にすぎません。クラリベイト引用栄誉賞はこの0.02%未満の卓越した研究成果から、厳密な引用分析と専門家の洞察に基づいて選出されます。

2025年の受賞者と受賞理由は以下の通りです。

 

生理学・医学
 

Andrea Ablasser
ローザンヌ連邦工科大学(スイス)
Glen N. Barber
オハイオ州立大学ジェームズがんセンター(米国)

Zhijian ‘James’ Chen
テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター(米国)

 

「自然免疫の基本的なメカニズムであるcGAS-STING経路の解明」
“for elucidating the cGAS-STING pathway, a fundamental mechanism of innate immunity”

 

John E. Dick
ユニバーシティ・ヘルス・ネットワーク(カナダ)
トロント大学(カナダ)

 

「白血病幹細胞を特定し、それが治療の失敗や病気の再発に関与していることを明らかにし、多くのがんの研究と治療の方向性に大きな変化をもたらしたこと」
“for identifying leukemia stem cells and establishing their relevance in therapy failure and disease recurrence, thereby shifting the focus for many types of cancer and their treatments”

 

寒川 賢治
元 国立循環器病研究センター(日本)

児島 将康
久留米大学(日本)

 

「食欲、エネルギー、代謝を調節するホルモンであるグレリンの発見」
“for discovery of ghrelin, a hormone regulating appetite, energy, and metabolism”

 

物理学
 

Ingrid Daubechies
デューク大学(米国)

Stéphane Mallat
フランス高等師範学校(フランス)

Yves Meyer
パリ=サクレー高等師範学校(フランス)

 

「ウェーブレット理論の発展による、数学と物理学における革命および画像処理をはじめとする実用的応用への貢献」
“for advancing wavelet theory, a revolution in mathematics and physics with practical applications including image processing”

 

David P. DiVincenzo
ユーリッヒ総合研究機構(ドイツ)
アーヘン工科大学 量子情報研究所(ドイツ)

Daniel Loss
バーゼル大学(スイス)

 

量子ドット中の電子スピンを量子ビットとして用いた、量子コンピューティングのための Loss-DiVincenzoモデルの提案」
“for proposing the Loss-DiVincenzo model for quantum computing, using electron spins in quantum dots as qubits”

 

Ewine F. van Dishoeck
ライデン大学(オランダ)
マックス・プランク物理学研究所(ドイツ)

 

「星や惑星の形成における役割を明らかにした、星間分子雲の解明による天体化学への先駆的貢献」
“for pioneering contributions to astrochemistry revealing interstellar molecular clouds and their role in star and planet formation”

 

化学
 

Clifford P. Brangwynne
プリンストン大学(米国)

Anthony A. Hyman
マックス・プランク分子細胞生物学・遺伝学研究所(ドイツ)

Michael K. Rosen
テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター(米国)

 

細胞内の生化学的構造の形成における、相分離した生体分子コンデンセートの役割に関する発見
“for discoveries on the role of phase-separated biomolecular condensates in biochemical organization of the cell”

 

Jean-Marie Tarascon
フランス高等師範学校

 

エネルギーの蓄積および変換技術における基礎的な進展と新規応用の開拓
“for fundamental advances and novel applications in energy storage and conversion technology”

 

Tao Zhang
中国科学院 大連化学物理研究所(中国)

 

単原子触媒の開発とその応用における先駆的貢献
“for seminal contributions to the development of Single-Atom Catalysis and applications”

 

経済学
 

David Autor
マサチューセッツ工科大学(米国)

Lawrence F. Katz
ハーバード大学(米国)

 

賃金構造、所得格差、教育の進展、技術革新に関する先駆的分析
“for seminal analysis of wage structure, earnings inequality, educational advance, and technological change”

 

Marianne Bertrand
シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス(米国)

Sendhil Mullainathan
マサチューセッツ工科大学(米国)

 

人種差別、コーポレート・ガバナンス、心理学や文化によって規定される労働経済学の諸側面に関する共同研究
“for joint research on racial discrimination, corporate governance, and other aspects of labor economics determined by psychology and culture”

 

Nicholas Bloom
スタンフォード大学(米国)

 

投資・雇用・経済成長に対する経済的不確実性および政治的不確実性の影響分析
“for analyzing the impact of economic and political uncertainty on investment, employment and growth”

 

クラリベイト引用栄誉賞は特定の年のノーベル賞受賞者を予測するものではなく、ノーベル賞級の業績を持ち、世界的な評価に値する研究者を顕彰するものです。

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報道関係者向け注記:

  • クラリベイト引用栄誉賞と今年の受賞研究についての詳細はブログ(英語)をご覧ください。
  • 引用栄誉賞受賞者分析の手法や、2002年以降に選出された引用栄誉賞受賞者のリストはHall of Citation Laureatesをご覧ください。
  • クラリベイトのInstitute for Scientific Information (ISI)の研究分析部門責任者、David Pendleburyへの取材やインタビューをご希望の場合はクラリベイトまでお問合せ下さい。
  • 今年のノーベル賞発表は10月6日 ~ 13日に開催されます。発表はnobelprize.org でライブストリーミング上映される予定です。

 

クラリベイトについて

Clarivateは、革新的なインテリジェンスを提供する世界有数の情報サービスプロバイダーです。学術、知的財産および、ライフサイエンス・ヘルスケア分野で充実したデータ、インサイト・アナリティクス、ワークフローソリューション、専門家によるサービスを提供しています。詳細についてはclarivate.com/jaをご覧ください。

本リリースは、Clarivateが2025年9月25日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳再編集(一部追記を含む)したものです。オリジナルは英文ニュースリリースをご参照ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

 

本件に関するお問い合わせ先

【日本国内】
クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社
アカデミア&ガバメント事業部
Email: marketing.jp@clarivate.com

 

【日本国外:グローバル】
Rebecca Krahenbuhl, Senior Manager, External Communications
Email: newsroom@clarivate.com