
エージェントAIは、人による適切なコントロールを維持しながら学術的ワークフローを加速します。
2025年4月9日、ロンドン(英国) – 革新的なインテリジェンスを提供する世界有数の情報プロバイダーである、クラリベイトPlc(NYSE:CLVT)は、学術AIプラットフォームの拡充を発表しました。この学術AIプラットフォームは、教育・研究機関がエージェントAIを活用して生産性の向上を加速させると共に、研究者・学生・職員が効率的に時間を使い、デジタル環境への関心をさらに高めることを支援します。2025年4月より、クラリベイトは主要な学術ワークフローへのエージェントAIの導入を開始します。また機能拡充の一環として、2025年に始動予定の開発パートナープログラムによる、エージェントビルダーおよび学術コミュニティ主導のAIツールの開発も開始します。
学術AIプラットフォームが進化する中で、クラリベイトは学術的なニーズに焦点を当てながら研究のインテグリティを保ち、意思決定の中心に人が介在するというクラリベイトのAI原則に沿った開発を進めてまいります。
生成AIを超えるエージェントAI
エージェントAIは、次世代のAIイノベーションを牽引する最先端のプログラムです。特定の目的に至るための推論、計画の策定、実行機能を兼ね備えており、複数のデータソースを通じて、内容の理解、決定、反復学習を統合して複雑なタスクやステップへの対応を実現します。生成AIが一問一答形式で回答を生成することに優れているのに対し、エージェントAIは質問者に対して積極的に関連質問を提示するなどのサポートを行い、微妙なニュアンスの会話を繰り返すことでタスクを実行します。
クラリベイトは、2024年に導入され既に3,000以上の機関で導入されているAI搭載の研究、分析、メタデータアシスタントの一連のソリューションを基盤とした学術AIプラットフォームを通じて、エージェントAIを学術界に提供します。学習および研究目的に特化したエージェントAIは、クラリベイトの高品質なデータとワークフローツールを活用して、図書館員、分析担当者、研究者、学生がより効率的にそれぞれの成果を上げることを可能にします。
クラリベイトはまた、学習・研究目的に特化した機能やデータを組み込んだエージェントAIの開発に取り組んでいます。既にリリースされているエージェントAIを搭載した製品は以下の通りです。
- Literature review:重要な研究内容を要約し、Web of Scienceから取得したデータの分析、対話によってクエリを最適化しながら文献レビューを行うなど、研究者をサポートします。エージェントAIは、テーマ、研究のギャップ、注目を集めている研究トピックを特定するなど、時間と労力を要する文献検索・収集と要約のプロセスを簡潔にします。2025年4月10日にWeb of Science Research Assistant上でリリースされました。
- Research Intelligence:Web of Science Research Intelligenceは大学の研究戦略立案、研究推進・支援のための、データによる意思決定をサポートする強力な分析ツールです。エージェントAIにより可能性の高い共同研究者の特定や、研究パフォーマンスの深い洞察、的確な研究助成金の機会発見など、優先度の高い重要な課題に対応します。Web of Science Research Intelligence は2025年夏に開発パートナーおよび早期導入をご希望の各機関に提供の予定です。
エージェントビルダー:コーディングの専門知識を必要としない柔軟な開発環境
クラリベイトは、あらかじめ構築されたエージェントAIに加え、独自にAI搭載ツールを作成、カスタマイズ等が可能なエージェントビルダーの開発も始めています。この新しいエージェントビルダーによりエージェントAIを機関や図書館のポータルサイトやその他のデジタル環境に組み込むことが可能です。
エージェントビルダーに含まれるプロンプトビルダー、ワークフロー自動化、システム連携などの各機能が開発プロセスを簡素化し、技術的な専門知識を持たなくてもAIソリューションの実装が可能となります。クラリベイトのコンテンツやソフトウェアソリューションだけでなく、ローカルデータやアプリケーションも直感的なノーコード・ローコードの会話型インターフェースで自機関の生成エージェントAIに統合することができます。これらのツールは、クラリベイトがあらかじめ構築したエージェントAIと共に、シームレスかつスケーラブルなプラットフォーム全体の構築を実現します。
コミュニティ構築型AIツール
図書館が長い間、相互協力を基盤に発展してきたように、クラリベイトの学術 AI プラットフォームも教育・研究機関が互いのAIソリューションの導入に貢献・共有、構築することを支援します。コミュニティで作成されたテンプレートやワークフロー、ツールを使用することで、図書館は共同で開発を加速し、学術的な優先事項を反映した形でAIソリューションを進化させることができます。
クラリベイトのストラテジー&イノベーション担当シニアバイスプレジデントのOren Beit-Arieは次のように述べています。
「クラリベイトの学術 AI プラットフォームを拡張し、エージェントAIとエージェントビルダーを導入することで教育・研究機関向けのコラボレーションエコシステムを促進します。質の高いコンテンツを基にAI対応ソリューションの開発、改良、共有が可能になります。このアプローチは、コラボレーションエコシステムを促進します。クラウドアプリやデベロッパーネットワークなど、これまでのコミュニティ主導のイノベーションに基づき、AIが機関の優先事項をサポートすることを明確に表しています。学術コミュニティ全体が協力することで、透明性が高く責任のある学術的価値観に沿うAIの形成が可能です。」
イノベーションと学術AIプラットフォームの受け入れを加速するために、クラリベイトは開発パートナープログラムを導入し、学術図書館を招いてAI主導のソリューションを共同で作成および改良します。パートナーシップまた詳細に関してのお問い合わせは、Clarivate Academic AIグループまでご連絡下さい。
###
クラリベイトについて
Clarivateは、世界有数の情報サービスプロバイダーです。当社は、人と組織を信頼性の高いインテリジェンスでつなぎ、人々の視点、仕事、そして世界を変えます。学術・政府機関、ライフサイエンス・ヘルスケア、および知的財産の分野で深い専門知識と結びついたサブスクリプションおよびテクノロジーベースのソリューションを提供しております。詳細については、clarivate.com/ja をご覧ください。