FTO(freedom to operate)レビューと特許モニタリングは、時間的制約が厳しく、リスクの高いワークフローです。そのリスクとは単純なものです。関連する請求項を見落とせば、侵害を抱えたまま生産に入ることになりうるし、判断が遅れれば、発売延期や土壇場でのエンジニアリング方針転換を強いられる可能性があるということです。こうした失敗の要因としてよくあるのが、脈絡のないアラート、一貫性のないレビュー記録、持続的な監査証跡の欠如などです。
このような問題を解消するために開発されたのが、Derwent Patent Monitorという新しいソフトウェアソリューションです。
本ブログでは、この新しいソリューションがFTOレビューと継続的モニタリングをどのように簡素化するのか、なぜそれがリスク管理とイノベーションのスピードにとって重要なのか、そして実際にどのように機能するのかを解説します。また、判断や共同作業に与える効果がわかるよう、実務に即したユースケースもご紹介します。
最新の特許レビューワークフローを支える原則を探索したい方は、当社の最新ブログ記事「Why patent review needs a modern workspace」をご覧ください。
従来の特許モニタリングワークフローの問題点
FTOレビューと特許モニタリングのワークフローのほとんどが、依然として手作業による調整を必要としています。メールによるアラート配信、スプレッドシートでの管理、統合されていないストレージへの文書保管などです。こうした方法には、次の3つの重大な弱点があります。
- 可視領域が断片化している: アラートや注釈が複数のシステムに分散していると、レビュー担当者は文脈を把握しづらくなります。エンジニアによってフラグ付けされた請求項が、リスク評価を担当する弁護士の目に届かない可能性もあります。
- 優先順位付け機能がない: 従来のツールは、すべての文書を同等に扱います。関連性の高い脅威を優先的に把握できる体系化された仕組みがないため、アナリストは手作業により何時間もかけて大量の特許を優先順位付けしています。
- 監査性が不十分: 判断の記録保持が十分になされていないため、請求項がクリアまたはフラグ付けされた理由を数か月後に問われた場合、散在する記録から根拠を再構築するのに苦労することになります。
特許訴訟は世界規模のリスクであり、そのコストは膨大です。米国から欧州、アジアに至るまで、企業は侵害主張への防御に毎年数百万ドルを費やしています。FTOレビューで脅威を1つ見落とすだけで、差し止め、コストのかかる再設計、ブランド棄損といった、予防コストをはるかに上回る損害が生じ得ます。
Derwent Patent Monitorのご紹介
Derwent Patent Monitorは、FTOレビューおよび特許モニタリング専用のソリューションです。断片化したワークフローを、複数の関係者による共同作業向けに設計された体系的な環境に置き換えます。汎用の検索プラットフォームや付け足しのモニタリング機能とは異なり、ワークフローの遅延やリスクの増大を引き起こす具体的な問題に対処するために開発されました。
そうした問題を解決する機能について以下に説明します。
- AIを活用した脅威分析: すべての文書を同等に扱うのではなく、リスクの高い特許を優先します。これにより、1次レビューの時間が短縮され、技術レビュー担当者は特に重要な文書に集中できるようになります。
- プロジェクトベースのワークフロー: レビューはプロジェクト単位で整理され、職務別のフィード、文書の割り当て、全活動の履歴といった機能を備えています。このような体系により、重複が排除され、コンプライアンスや正当性の証明に必要となる明確な監査証跡が確保されます。
- 相互につながるエコシステム: Derwent InnovationおよびInnographyとのネイティブ統合により、アラートやDerwent World Patents Index(DWPI)の豊富なデータがワークスペースに直接流れ込みます。手動による転送も、大量のPDFも、文脈を見失うこともありません。あるのは、検索からレビューまでのシームレスなパイプラインのみです。
これらの機能を組み合わせることで、判断を迅速化し、見落としを最小限に抑え、FTOとモニタリングの全段階で透明性を確保するワークフローが実現します。
Derwent Patent Monitorの機能
Derwent Patent Monitorは、FTOレビューと特許モニタリングを体系化・透明化・効率化するよう設計されています。以下に、Derwent Patent Monitorが一般的なワークフローの課題にどう対処しているのかを説明します。
- プロジェクトベースの整理: 各レビューは専用プロジェクトとして実行されます。文書は、製品ライン、技術領域、競合他社ごとにフォルダやサブフォルダでグループ化して細かく管理できます。職務別のフィードにより、特許分析の担当者、弁理士、研究開発部門のレビュー担当者は自身の責任範囲に関連する情報のみを確認できます。
- プロジェクト横断型のインサイト活用: 関連する特許群やプロジェクトの間で注釈や判断が引き継がれます。あるレビューで請求項がクリアされた場合、そのインサイトが他のレビューから参照可能となるため、重複作業の削減と一貫性の向上につながります。
- 共同作業と追跡可能性: コメントは特許文書の該当テキストに直接リンクされ、割り当て、注釈、判断などのすべての操作は監査可能な履歴として記録されます。これにより、コンプライアンス対応や将来の参照において正当性を証明できる記録が作成されます。
結果として、優先順位付けの高速化、見落としの削減、チーム全体に拡張可能な体系化されたプロセスを実現できます。
Derwent Patent Monitorのユースケース
FTOレビューと特許モニタリングのワークフローは組織によって異なりますが、以下に示すのは、Derwent Patent Monitorが特許インサイトを提供することで、測定可能な効果がもたらされるユースケースです。
- 製品発売に向けたFTOレビュー
特許調査担当者がDerwent InnovationでFTO調査を実施します。結果をスプレッドシートにエクスポートする代わりに、文書が直接Derwent Patent Monitorプロジェクトに流れ込みます。AIによる脅威分析が、発売を阻害する可能性が高い特許を抽出し、説明可能性機能が、請求項と製品機能を対応付けします。弁理士と研究開発部門のレビュー担当者が文脈に沿って注釈を付け、知財チーム責任者が統合されたリスクの全体像を確認します。
効果: 継続/中止の判断を迅速化でき、正当性の証明となる監査証跡を残せます
- 異議申し立て戦略
欧州で競合他社の出願をモニタリングしていると、市場参入を阻害する可能性のある審査中の出願が見つかります。知財チームは、Derwent Patent Monitorを利用して文書を共同でレビューし、技術的知見を集め、その特許が登録される前に、異議申し立てを行うべきかどうかを判断します。
効果: リスクをプロアクティブに軽減し、異議申し立て期間を戦略的に活用できます。
- 競合他社と技術のモニタリング
ある事業部門が、新しい技術領域における出願動向の早期把握を望んでいます。Derwent Patent MonitorがDerwent InnovationとInnographyからのアラートを共有ワークスペースに集約します。レビュー担当者が戦略的に重要な特許にタグや注釈を付け、インサイトをプロダクトマネージャーと共有します。
効果: 研究開発や事業戦略のためのタイムリーな知見が得られ、開発サイクルにおける予期せぬ事態の発生を減らせます。
FTOレビューと特許モニタリングを効率化する準備はできましたか?
断片化したワークフローは判断を遅らせ、リスクを増大させます。Derwent Patent Monitorは、FTOレビューを迅速化し、競合他社の動向を確実にモニタリングするための、一元化された共同作業環境を提供します。
Start with a live project today.
デモを予約して、1つのワークスペース内でアラートから、実用的なインサイトへとつながる流れをご覧ください。そこには、スプレッドシートもサイロもありません。あるのは、DWPIのデータと説明可能なAIに支えられた、より速く、より的確な判断のみです。