商標クリアランスは長らく、商標案と類似していると思われる既存商標の特定作業に特化してきました。従来、商標データツールは類似商標の抽出は行うものの、その共通点が重大リスクになり得るかを判断する作業は法務チーム任せでした。
しかし現在、状況は大きく変わりました。キュレーション済み訴訟データと生成AIを導入することで、商標弁護士は類似性をより深く検証できるようになっています。
クラリベイトは、急速に変化する知財業界への対応を進めるため、AIや産業の進歩に合わせて自社プラットフォームの大幅なアップデートを実施しています。RiskMarkでは、2026年に実施されるアップデートにより、既存商標権者の分析や、以下のような細かい背景を踏まえた体系的な主張案の作成が可能になります。
- 商標権者の訴訟履歴の有無
- 商標権行使の攻撃性の尺度 度合い
- 併存登録の可能性
このアップデートには最新の作業手法が反映されています。その手法とは、公開されている商標データ、専門家による評価知見、クラリベイトの持つ世界の商標権訴訟データを組み合わせ、それらすべてにAIの分析を重ねることで、より総合的なリスク評価を実現するというものです。
画期的なAI予測ツールであるRiskMarkを基盤にしたアップデートにより、ビジュアル重視で多言語対応が求められる今日のグローバルなブランド環境に合わせた機能が多数導入されます。
世界の商標分析に対する総合的なアプローチ
今日の商標業務では、消費者が感じる視覚的・言語的・文化的なニュアンスそのままに商標を評価できるツールが求められます。RiskMarkの最新アップデートではこの能力を強化し、より総合的に状況を判断しながら類似性とリスクを示します。主な新機能は以下のとおりです。
- 図形商標の外観類似の比較
これまでのRiskMarkは、称呼と観念の類似性評価を行うためのツールでした。今回新たに導入される外観類似の比較機能は、コンピュータービジョンAI技術をフル活用し、図形商標をRiskMarkに直接入れると、文字商標の分析と併せて類似性を評価することができます。これにより、商標を見た消費者がどう認識するか、審査官がどう判断するかを具体的に捉えやすくなります。 - 管轄区域の言語によるドラフト作成
これまでのRiskMarkでは、英語を基本言語としてドラフトが作成されていたため、現地チームが各管轄区域向けにそれを現地語に翻訳する必要がありました。最新アップデートでは、多言語でのドラフト作成が可能になります。フランス語とスペイン語を皮切りに、イタリア語、ドイツ語、中国語、日本語、韓国語にも順次対応予定です。該当言語を指定し、対応読者に合わせて主張を作成することができます。以前作成された翻訳もキャッシュされ、瞬時に読み込むことが可能です。 - 商標内の識別力の弱い部分の特定
出所混同の可能性を評価する際は、説明語など識別力の弱い部分を考慮しなければなりません。新しいドラフト作成機能では、商標を比較した際に識別力の弱い部分を自動的に特定し、追加の論証や証拠が必要となり得る部分を明らかにしてくれるため、より正確で抗弁力の高い主張を作成することができます。
世界の商標比較に対するより総合的なアプローチ
上記の新機能を組み合わせることで、RiskMarkはそれまでの文字重視の比較評価ツールを脱却し、細かな差異を踏まえたより総合的な評価プラットフォームへと進化します。導入によるメリットは以下のとおりです。
- 図形商標の外観類似比較:文字だけでなく、図形要素を含む全体で類似性を把握することができます。
- 対象市場で使用される言語によるドラフト作成:実際の消費者の商標に対する受け止め方を主張に確実に反映させることができます。
- 主張の多言語翻訳:国境を越えて連携しやすくなり、人力翻訳の負担を減らすことができます。
- 識別力の弱い部分の特定:弱点を明確に把握し、主張を強化することができます。
類似性評価をより明確に
以上のように、RiskMarkは今回のアップデートにより、称呼比較を主とするツールから、広範囲に対応可能な商標評価プラットフォームへと進化します。データ、専門家による評価知見、高度な生成AIを組み合わせることで、商標をさらに総合的に捉え、現実的な紛争リスクをさらに自信を持って評価できるようになります。
新機能の導入効果をお試しになりたい場合は、デモをリクエストいただくか、無料トライアルをお申し込みください。
当ブログ記事は2026年2月17日にグローバル公開したものを日本語に翻訳再編集(一部追記を含む)したものです。オリジナルは原文(英語)をご参照ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈は英語が優先します。