模倣品販売が他の犯罪の資金源に

模倣品販売が他の犯罪の資金源に

Statton Hammock
Vice President, Global Policy & Industry development

2019年3月5日

先月、CNBCはアマゾンが上場して初めて年次報告書に、ECサイト内の模倣品対応をリスク要因として追加したと発表しました。Form10-Kには以下のように記載されています。

私たちは店舗内または他の店舗を通じた違法な商品、模倣品、海賊版、盗難にあった商品の販売、違法または非倫理的な販売、所有権の侵害など、アマゾンの規約・ガイドライン違反を防ぐことはできません。

 

この数年、模倣品の販売と流通が増加していたにも関わらず、オンラインの小売業者は模倣品販売に対してサプライチェーンを警戒していませんでした。その意味で今回の模倣品問題に対するアマゾンの認識は重要です。MarkMonitorは長年にわたってオンライン上の模倣品を追跡してきました。模倣品販売は単に顧客の信頼を失わせ、ブランドの評判を傷つけるだけではありません。それよりもはるかに大きく、かつ悪影響を及ぼすことがあります。模倣品からの収入は、テロ、人身売買、組織犯罪、違法な武器の輸送、医療詐欺、麻薬犯罪、性犯罪、およびマネーロンダリングの資金源となり得るのです。

 

MarkMonitorはミシガン州立大学の模倣品偽造品防止・製品保護センター(A-CAPP)と提携し、模倣品と他の深刻な犯罪との関係に関する調査研究を開始しました。 同センターの模倣品データベースを利用し、何千もの裁判記録を検索し、実証データベースを使用し、模倣品販売と他の違法行為を関連付けました。この調査研究によって3つの重要な事実が判明しました。

 

まず、模倣品販売業者は特別な目的でビジネスをしているわけではありません。模倣品販売は単独で存在するのではなく、合法的な企業と違法な企業、両方と関わりを持っていました。第二に模倣品販売が生み出すキャッシュフロー活動は驚異的で、それにより他の犯罪の資金源となり続けていました。A-CAPPの調査によると、単一の模倣品スキームで生み出された違法収入の中央値は驚異の140万ドル(約1億4800万円)でした。

 

最後に、A-CAPPの調査によると、模倣品をオンライン上で取り締まることに関し、企業もマーケット自体も無関心ではいられないことがわかりました。企業は模倣品を「ビジネスを行う上では防ぎようのないコスト」として見なしていられなくなっています。またECサイトは「私たちはただのプラットフォームだ」と主張し、模倣品を無視し続けることができなくなっています。 模倣品販売は単純に購入者に損害を与えるだけでなく、私たちの社会の安全と安心を脅かしています。

 

模倣品対策への投資はブランドを保有する企業にとって必須となってきました。模倣品対策はブランドの評判を守り、顧客を損害や詐欺から保護し、さらには社会全体を守ることになります。 模倣品の販売と流通は根絶することができる問題ではありません。しかしその範囲を考慮し適切な注意と投資で対処していかなければならない問題なのです。

 

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