クラリベイト、ジャーナル・インパクト・ファクター最新版をリリース、世界的リーディングジャーナルを明らかに

COVID-19関連の研究を掲載するジャーナルにおける引用のインパクトが引き続き増加

2022年6月28日、ロンドン(英)
クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社

イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する世界的リーディングカンパニーのClarivate Plc (NYSE:CLVT)は、本日、Journal Citation Reports (JCR)™の2022年版をリリースいたしました。毎年リリースするJCRでは、様々な指標、データ、視覚化機能により、世界の高品質なジャーナルを評価できます。JCRは毎年、世界の研究機関および学術出版関係者に、ジャーナルのインパクト評価のための様々な指標やその統計、可視化データを提供しています。JCRは、中立的な立場から作成された、高品質なジャーナル、書籍、会議録などの世界最大級の引用索引データベースであるWeb of Science Core Collection™に収録された2021年までの編集データに基づいています。Web of Science Core Collection™のデータは、クラリベイトのグローバルな専門家チームによって体系化され、ジャーナルのパフォーマンスを正確に評価するために、ジャーナル、書籍、会議録などの評価、選択を継続的に行っています。JCRから得られる知見を用いて、研究者や出版社、編集者、図書館員、資金提供機関は、ジャーナル・インパクトファクターをはじめとする様々なデータや指標をより良く活用し、多様な利用者に対してジャーナルの価値を追求することを可能にします。

 

COVID-19は、社会のあらゆる側面に影響を及ぼしているように、学術出版のあらゆる側面にも影響を与え続けていきます。

クラリベイトの副社長であり、Web of Science編集部長である Dr.Nandita Quaderiは次のように述べています。「厳選・管理されたJCRデータを通して、学術コミュニティでのCOVID-19パンデミックへの迅速な対応が及ぼした多大な影響を十分に認識し、理解することができます。」

「研究者たちがウイルスの起源・蔓延・結果を探求し、新しい治療法やワクチン開発を急ぐ努力が信頼性の高いJCRデータに反映されていることを知ることができるでしょう。このようなパンデミックの影響は、特に国連の持続可能な開発目標3に定められる「健康と福祉」という観点から、文献や引用のインパクトにおいて今後数十年にわたって認識され続けるでしょう。私たちは、高度に整理されたデータを研究コミュニティと国連のSDGsに提供し、その意思決定及びイノベーションの加速を支援します。」

 

本年のリリースでは、総合医療や集中治療、公衆衛生、伝染病、免疫学、基礎生物医科学などの分野におけるジャーナルの引用インパクトが引き続き顕著に増加していることが分かります。

  • 今年、 Lancet誌のJournal Impact Factor™(JIF)は202.731に達し、総合医療・内科のカテゴリーでNew England Journal of Medicine(NEJM)を抜いて1位となりました。NEJMは45年前にJCRが初めて発表されて以来、この分野のJIFのトップを飾ってきました。JIFに関連する2019年および2020年に発表された論文の2021年の被引用数をみてみると、最も多かった10本の論文うち、3本がLancetに発表されていました。この3本はCOVID-19の疾患特性と治療に直接関連する論文でした。
  • Nature 誌が、2021年の総引用数が100万を超えた初のジャーナルに輝きました。Nature 誌は、JIF集計に関与した引用が500回以上の論文が16本掲載されており、うち12本が COVID-19に関連していました。
  • 以下の7ジャーナルは初めてJIFが100を超えました。いずれもCOVID-19関連の研究を数多く発表していました。

『 Journal of the American Medical Association』、『Lancet』、『Lancet Respiratory Medicine』、『Nature Reviews Drug Discovery』、『Nature Reviews Immunology』、『 Nature Reviews Molecular Cell Biology』、『New England Journal of Medicine』

 

研究の公正性の維持と新型の引用の歪み

今年、クラリベイトはジャーナル選択の客観性とレポートの公正性を維持するため、JCRからジャーナルを3誌除外しました(不正行為の推定や告発はありません)。これは収録されたジャーナル数の0.01%に相当します。クラリベイトでは、過度な自己引用や引用スタッキングが判明されるなど、不自然な引用行為があるジャーナルを監視して除外しています。規律基準を高めるために、自己引用がJCR指標に与える影響を測る方法論やパラメーターを2020年に更新しています。なお、JCRからの除外は、そのままWeb of Science Core Collectionから同ジャーナルの収録の停止を意味するものではありません。

さらに、クラリベイトの公正性管理チームは、今年、不自然な引用行為に「自誌スタッキング(引用文献が自誌のJIFに過度に影響する論文が存在)」を追加しました。これは、ジャーナルに収録された論文の引用文献が、当該ジャーナルのJIFの分子にあてはまるものが大多数であるような論文を含むことを意味します。自誌スタッキングの除外基準は今年初めて正式に定められたものであることから、ジャーナル6誌に対し、JIFの付与を停止するのではなく、警告処置とすることに決定しました。今後も自誌スタッキングが継続する場合はJIF付与の停止がなされる可能性があります。

 

2021年データにおける重要な事実:

  • JCR 2022年版は、114ヶ国、254の研究分野のジャーナルを下記の通り21,000誌以上収録しています。
    • 自然科学分野:12,800誌
    • 社会科学分野:6,600誌
    • 芸術・人文科学分野:3,000誌
  • 約13,000のジャーナルには、1報以上のゴールドオープンアクセス論文が含まれています。
  • 5,300以上のジャーナルでは、その全てのコンテンツをオープンアクセスで出版しています。
  • 192のジャーナルが初めて JIFを獲得しました。

 

JCRの各ジャーナルプロファイルは、次のような多様なジャーナル指標を提供し、利用者向けにカテゴリーやランキングでフィルタリングする機能も備えています。

(表記の出版年は2022年版JCRに対応)

  • Journal Citation Indicator:過去3年間(2019年、2020年、2021年)の分野で正規化された引用の平均インパクト(Category Normalized Citation Impact(CNCI)を反映しています。JCRの収録ジャーナルにはすべて2021年時点の指標がつけられています。
  • Immediacy Index:論文が出版された年に引用された平均被引用数を指します。
  • Journal’s rank in category:JIFによる分野内のジャーナルの順位を示します。
  • Cited half-life:2021年中にジャーナルが引用された論文が、過去何年までの出版年かの中央値で、ジャーナルが引用され続ける期間を示します。
  • The Journal Impact Factor(JIF):収録された論文が特定の年に引用された平均被引用数を示します。2022年版JCR では、2019年および2020年に出版された論文が2021年の被引用数から集計

また、JCRにはオープンアクセスのコンテンツやジャーナルに最も貢献した機関や地域などの記述的なデータも含まれています。

詳細については、ブログをご覧ください。

Journal Citation ReportsのWebサイトにアクセスして、用可能なすべてのデータ、指標、および分析をご覧ください。当社の除外方針やその他の情報はリファレンスガイドに掲載されています。

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クラリベイトについて
クラリベイト™は、イノベーションを加速する信頼性の高い知見や分析を提供する、世界的リーディンクカンパニーです。当社の使命は、新しいアイデアから人生を変えるような発明を生む時間を短縮するための、実用的な情報とインサイトを提供することにより、お客様が抱える難題を解決できるよう支援をすることです。サイエンスや知的財産の分野において、基盤となる研究やアイデアから保護、そして商業化に至るまで、イノベーションのライフサイクル全体をカバーする深い専門知識を備えたサブスクリプションおよびテクノロジーベースのソリューションを提供しています。弊社は、日本をはじめ、中国、韓国、東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドなど、アジア太平洋地域を含む世界各国で事業を展開しています。

詳細については、clarivate.comをご覧ください。

 

将来の見通しに関する記述について
本プレスリリースならびに口頭の記述に含まれる情報は、クラリベイトに関する予測や将来の見通しに関する記述が含まれている場合があります。将来の見通しに関する記述は、クラリベイトが作成時点において期待すること、もしくは将来の出来事についての予測を提供するもので、期待される相乗効果やその他の将来的見込みに関する記述を含んでいることがあります。これらの記述には、クラリベイトの管轄外の要因により、実際の結果が物理的に大幅に変わる可能性のあるリスクや不確定事項が含まれています。クラリベイトは、新たな情報、将来の出来事、その他の結果の如何を問わず、ここに示された記述を更新または修正する義務は一切負わないものとします。
本リリースは、Clarivateが2022年6月28日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳再編集(一部追記を含む)したものです。英文ニュースリリースは、こちらをご参照ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

 

本件に関する問い合わせ先
Amy Bourke-Waite
External Communications Director (Academia and Government)
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