ICANN 64におけるデータ取得への新たな道筋

ICANN 64におけるデータ取得への新たな道筋

Statton Hammock
Vice President, Global Policy & Industry Development, MarkMonitor

2019年3月19日

先週、神戸で今年最初のICANN年次総会が開かれ、世界中から1700人を超える人が出席しました。MarkMonitorからはドメイン、セールス、マーケティング、およびGRM(Global Relationship Management)チームのメンバーが、ICANNのポリシー策定および情報提供のワーキングセッションに積極的に参加し、また日本内外のクライアントやビジネスパートナーと有意義なミーティングも行いました。

 

昨年と同様に、先週のICANNで最も重要な議論は、ポリシー策定プロセス促進(EPDP)と、「WHOISデータ」と呼ばれるドメイン登録者データ一覧の収集、保管、転送、および表示のための新しいポリシーの策定でした。2018年5月にEU一般データ保護規則(GPDR)が施行された後、公のWHOIS情報は編集または隠されるようになってしまいました。そのため法執行機関、ブランド保護関連企業、サイバーセキュリティの専門家が、Webサイトを侵害したり、マルウェアやその他の悪質なコンテンツを配布したりする責任を誰が負っているかを発見することが非常に困難な状況になっています。

 

より良いデータ収集プロセスのための協力

EPDPは今月初めにフェーズ1勧告を発表し、登録者データを収集するための法的目的を明らかにしました。 第2フェーズでは、法執行機関や知的財産権者が最も頻繁に求める非公開データへのアクセスを得るため、標準となる方針の策定を行います。 ICANNは、EPDPの勧告についていくつかのセッションを神戸で開催しましたが、そのすべてがICANNメンバーによって支持されたわけではありません。MarkMonitorのGRMメンバーであるStatton HammockとBrian Kingは、登録者のプライバシー権と知的財産権を保護するために、データにアクセスするためのブランド権利者の正当な利益とのバランスを主張し、EPDPの活動に積極的に関与しました。

 

次の申請ラウンドのための方針策定に関連する作業もまた、後続プロセス作業グループのメンバーとして、gTLD申請プロセスの改善のための勧告を含む最終報告書の完成を後押しすることで、先週本格的におこなわれました。この最終的な推奨事項は、新しいラウンドのアプリケーションに備えて、コミュニティ環境を準備する際に重要なステップとなります。

 

現在、コミュニティの多くは、2021年後半または2022年初頭に新しいアプリケーションフェーズが開始されるように、方針策定およびその実行が完了できると考えています。MarkMonitorも、このグループで作業促進を行っています。またこの新しいフェーズは.brand TLDに関心を持っている企業にとってはよい機会となるでしょう。

 

重要なセキュリティポリシーを調査する

ICANNは、ブランド所有者を商標権侵害およびサイバースクワット攻撃から保護するため、さまざまな権利保護メカニズム(RPM)の見直しを行っています。 RPMワーキンググループは、商標請求プロセス、迅速停止サービス(URS)、および委任後の紛争処理プロセス(PDDRP)のレビューを完了しており、2020年の早い時期に勧告を付けて報告書を発行する予定です。

 

その後、グループは、ブランド権利者が侵害しているドメイン名を把握できるよう、その長年の方針およびプロセスに何らかの変更を加えるべきかどうかを決定するために、統一紛争解決プロセス(UDRP)を評価します。MarkMonitorは、RPMはインターネットの安全性とセキュリティ、そしてオンライン上の評判を守るために、ブランド権利者にとって重要であると考えています。

 

最後に、ICANN 期間中、MarkMonitorチームは日本とアジア太平洋地域のクライアントやビジネスパートナーと会い、自社のブランドをオンラインで保護することに対する課題が増大していること、また次のラウンドのgTLDへの関心について、直接お話を聞くことができました。これらの声は、私たちがICANNや世界中の他のフォーラムでクライアントの利益を効果的に提唱すること、またクライアントやパートナーに影響を与える問題や懸念を理解するのに大変有意義なもので、今後活用して参ります。

 

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