Web Of Science

「英語は3語で伝わります」×「Web of Science」コラボレーション企画

3語英語の著者が、伝わる英語論文を書くコツを Web of Scienceの収録論文を使って伝授します!   中山 裕木子 氏 株式会社ユー・イングリッシュ 代表取締役 公益社団法人日本工業英語協会 理事・専任講師      4月に英語論文の読み方のセミナーを担当させていただきました。  あれから半年、コロナ禍での不安は消えませんが、with Coronaでmove forward(前に進もう)としている方が増えているのではないでしょうか。  海外での国際学会へ出かけることが難しい研究者の方々も、将来の研究生活に不安を感じている理系学生の皆様も、自分の研究を「書いて伝える」ことは、ますます重要になってくるでしょう。少なくとも、英語論文アブストラクトの書き方を早期に習得しましょう。    さて、まずはアブストラクトの「書き出し」をどうするか、です。  前回、英語論文の読み方セミナーでもお伝えしたとおり、アブストラクトは通常1つのパラグラフからなり、論文全体の要点と論文がカバーする技術範囲を示します(アメリカ化学会のスタイルガイドより)。そして、原著論文のアブストラクトは、大きく3つの内容から構成されます。 1. 研究の背景・解決したい問題 2. 問題を解決する方法・何を行ったか 3. 得られた知見・推論  この中の1. 研究の背景・解決したい問題 を書くにあたって、読みやすい英文で簡潔に書き出したいものです。    それでは早速ですが、アブストラクトの第1文目として、次の内容を書いてみましょう。 環境分野の「バイオマスから燃料や材料を生産する技術」に関する論文アブストラクトを書きます。   英作課題①エネルギーコストが増加し、環境への懸念が高まる中、持続可能な再生可能燃料や化学物質の必要性に注目が集まっている。    英語が苦手、という方は、Google翻訳やDeepLといった機械翻訳を使ってもかまいません。例えば次のように翻訳できるかもしれません。 With increasing energy costs and environmental concerns, the need for sustainable, renewable fuels and chemicals is gaining attention.(DeepLを使いました(2020年8月)) […]

クラリベイト、最新のWeb of Science Journal Citation Reportsをリリース

クラリベイト、最新のWeb of Science Journal Citation Reportsをリリース ~今世界で最も影響力のあるジャーナルが明らかに~ 2020年版はあらたにオープンアクセス、自己引用データを追加、 研究コミュニティの確実な意思決定のサポートに貢献   2020年6月30日 クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社     【2020年6月29日、ロンドン(イギリス)およびフィラデルフィア(アメリカ)】— イノベーションのスピードをより加速させる信頼性の高い知見と分析を提供する、世界的リーディングカンパニーであるClarivate Plc(NYSE:CCC)は、Web of Science Journal Citation Reports™(JCR)の2020年版を発表しました。 この2020年度版では、最新版のジャーナル・インパクトファクター(JIF) 2019をご参照いただけます。また多様な指標、データ、可視化機能により、世界の高品質なジャーナルのパフォーマンスを理解することができます。 JCRは、査読付きジャーナルの評価において世界で最も影響力があり信頼性の高いリソースです。世界の出版社においてジャーナルのインパクトを評価しており、研究コミュニティへの周知に広く使用されています。   JCRは、どの出版社とも利害関係のない中立な立場で作成されている、世界最大のグローバルな引用索引データベースであるWeb of Science Core Collection™のデータに基づき、作成されています。   Web of Science Core Collection™のデータは、クラリベイトのグローバルな専門家チームによって体系化されているだけでなく、ジャーナルのパフォーマンスを正確に評価するために、ジャーナル、書籍、会議録などの評価、選択を継続的に行っています。ここからの知見により、研究者や出版社、編集者、図書館員、資金提供機関が、ジャーナル・インパクトファクターをはじめとするJCRが提供するデータや指標を幅広く活用し、多岐にわたる説明相手ごとにジャーナルの価値基準に照らし合わせて適切な調査を行うことが可能になります。   2020年版JCRの主なハイライト: 収録対象ジャーナルについて: 5大陸83カ国から12,000誌以上のジャーナルを収録 完全なオープンアクセス誌  1,600誌以上 新規追加ジャーナル 351誌(うち178誌がオープンアクセスジャーナル) 科学・社会科学分野の236の研究カテゴリー   オープンアクセスに関する新たなデータを追加: 各ジャーナルの論文をアクセスモデル別に表示。 このデータにより、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもとで自由に閲覧・再利用できるように出版された論文(ゴールドオープンアクセス)が、ジャーナルの全体的なコンテンツ量と被引用数にどの程度貢献しているかについて、透明性のある出版社中立の情報を研究コミュニティに提供可能になりました。 JCRに収録されている 7,487誌のハイブリッドジャーナルについては、利用者は以下の情報を迅速かつ容易に識別することができるようになりました。 –  従来の購読モデルで発行された論文数 –  クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで発行された論文数 […]

国別、機関別で見るノーベル賞後のiPS細胞研究動向

国別、機関別で見るノーベル賞後のiPS細胞研究動向   2020年4月  シニアプロダクト・コンサルタント 安藤 聡子   iPS細胞に関する国別の日本の論文数はアメリカに次いで二位であり、多くの論文発表を行っている有力な研究機関もアメリカ、中国についで三位と世界の中でも大きな存在感を示している。日本の論文全体の伸びが約1.1倍にとどまっているのに比較すると、8年間で2倍以上の論文発表は、日本の学術研究の中で、iPS細胞研究がより活発に行われていることを表しているとも言える。   目次 世界のiPS細胞に関する論文数の推移 国別の論文数から見るiPS細胞研究動向 iPS細胞で存在感を示す研究機関 まとめ   世界のiPS細胞に関する論文数の推移 iPS細胞の作成は、2006年にCell誌に発表された。この論文は直後から注目を集め、iPS細胞研究は2012年のノーベル医学生理学賞を受賞している。ノーベル賞後も研究は活発に行われ、2012年からの8年間で発表された論文は延べ約11,000報 に達している(図1)。この8年間で、iPS細胞研究について1年間で発表される論文数は987報(2012年)から1,834報(2019年)と倍増しており、世界全体の同期間の論文数の伸びが1.3倍であることを考えると、この伸びは、iPS細胞研究への世界の注目度の高さを表すものと言えるだろう。   国別の論文数から見るiPS細胞の研究動向 iPS細胞研究について2012年から2019年に発表された国毎の論文数を見てみよう。世界90か国以上の国と地域からの研究発表があるが、上位10か国が関与している論文だけで、全体の約86%を占めていた。その中でも米国の存在感は突出しているものの、日本は続いて二位につけている(図2)。 さらに国別の論文数の伸び率に注目すると、米国が2012年に対する2019年の論文数が1.56倍に対して、日本は2.09倍となっていた。これは日本全体の論文の伸び1.1倍の二倍近い値で、過去8年間の日本の学術コミュニティのiPS細胞研究への注目度の高さと期待の大きさが見て取れる。   iPS細胞研究で存在感を示す研究機関 特定のトピックの研究動向を把握する際には、最先端の研究をリードできる研究機関数も重要であろう。この観点から見ると同期間で50報以上論文を発表している研究機関は世界全体で145機関あった。この145機関を国別に見てみると、米国が55とやはり突出しており、中国の16、ドイツ、日本の15と続く(図3)。加えて、これらの研究機関の中でも存在感の大きい世界の研究をリードしている200以上論文発表していたのは13機関。内訳は米国が7機関と、ここでも大きな存在感を示すが、日本は4機関(京都大学、東京大学、大阪大学、慶應義塾大学)とアメリカに次いでおり、他にはフランス、中国からそれぞれ1機関となっていた(表1)。   表1 iPS細胞に関する論文を200報以上発表した研究機関 (2012-2019) 2020年3月現在   なお、研究動向を考えるときに、「実用化の段階」の一つの考え方として企業からの研究論文数の動向は一つの指標となる。この観点で見ると2012年の30報から2019年は76報と2.5倍になっていた。論文数はまだまだ少ないが、産業界からの期待がうかがえる。日本の企業からも製薬企業だけでなく味の素や日立製作所などからも論文発表があった。   まとめ 山中教授がノーベル賞受賞された2012年から2019年までの8年間におけるiPS細胞の研究動向について、国別、研究機関別の観点から見てみた。日本の研究について見ると、総論文数などの観点からはどうしても海外に比べ伸びが小さいが、iPS細胞研究については世界全体の伸びを超えた論文発表がされていた。機関別で見ると、京都大学は論文数およびインパクトの高い高被引用論文数ともにハーバード大学に次いで世界第二位として最近でも高い存在感を示していた。 ※日本経済新聞朝刊(2020年4月20日)9面で 「iPS研究 日本健闘」が取り上げられています。論文データはクラリベイトのWeb of Science core collectionのデータを使っています。   記事中のCell誌の論文は以下より読めます。 Induction of Pluripotent Stem Cells from Mouse Embryonic and Adult Fibroblast Cultures by Defined Factors KazutoshiTakahashi,ShinyaYamanaka (Cell, Vol.126, […]

英語論文を読もうーシンプルに英語を読み解くコツを「英語は3語で伝わります」の著者が伝授します!

英語論文を読もう―シンプルに英語を読み解くコツを「英語は3語で伝わります」の著者が伝授します!   2020年3月   春がやってくるのが待ち遠しい今日この頃です。 「コロナのために学校が閉鎖になった。」 Coronavirus fears have caused school closures. 「コロナウイルスのために多くの店でマスクや衛生グッズが品薄になっている。」 Coronavirus fears have caused many stores to run low on masks and sanitation products. といった英文を目にしながら、春を待っているひとも多いのではないでしょうか。 そんな中ではありますが、4月になったら「英語論文を読もう!」と心に決めている研究者・エンジニアのみなさま。 また、「こんな時こそ勉強、英語論文を読みなさい!」と指導教官から指示されている学生のみなさま。 今日は「タイトル」と「アブストラクト」を素早く読み解いて、自分の読みたい英語論文を見つける方法をお伝えします。   Let’s try! データベースWeb of Scienceでタイトル検索をして、多くの文献で引用されている論文を検索。 結果をさらに狭めて、特に高い引用を集めている論文(=高被引用文献)を入手します。 Web of Scienceを使って論文を探す(製品ログイン) 本日の検索キーワードはAlzheimer’s diseaseとしました。 タイトルがどんどん検索結果に表れます。   アルツハイマー病:遺伝子、タンパク質、治療法   前からそのまま読める平易なタイトル。 真ん中あたりの英語の記号「:」はコロンといいます。 コロンは「大から詳へコロンだ」と覚えると良いのですが、大まかなことを言ってから、詳細を説明します。 サブタイトルを付けるときに使われます。   もう少しタイトルが詳しいものも、見てみましょう。 画像化する(Imaging) アルツハイマー病の(Alzheimer’s […]

スマホアプリで糖尿病や依存症を治療する:デジタルセラピューティクスとは?

スマホアプリで糖尿病や依存症を治療する:デジタルセラピューティクスとは?   2020年2月  シニア・データ・コンサルタント 安藤 聡子   アプリと医薬品の併用療法を視野にいれた、製薬メーカーとベンチャーの提携が話題になっています。デジタルセラピューティクスでは今使っているスマートフォンやタブレットが医療機器として活躍します。コンピュータサイエンスと医薬の融合技術である、デジタルセラピューティクスに関する最新の論文をみてみましょう。   目次 デジタルセラピューティクスとは? デジタルセラピューティクスの研究動向 デジタルセラピューティクスの注目論文 まとめ   デジタルセラピューティクスとは? スマートフォンのアプリなどデジタル技術を用いて疾患の診断、予防、治療などを支援したりするデジタルセラピューティクスが注目を集めており、2019年には国内でもベンチャーと製薬企業の提携が相次いで発表されました。デジタルセラピューティクスは健康アプリではなく、エビデンスに基づいた治療的介入をおこなうソフトウェアで、臨床試験で評価を受け、医師が処方します。現在(2020年1月)日本ではまだ、認可された実績はありませんが、海外ではすでに実績があり、米FDA(食品医薬品局)は、ピア・セラピューティクスの治療用アプリ「Reset」(依存症向け)と「Reset-O」(オピオイド中毒向け)を認可しています。   デジタルセラピューティクスの研究動向 デジタルセラピューティクスについて、「Digital Therapeutics」で検索すると2018年頃から急激に論文が増えていました。米国での存在感が圧倒的で、インド、イスラエル、日本からも論文が散見されます。   デジタルセラピューティクスの注目論文 日本発の3報はベンチャー企業であるCureApp(キュア・アップ)が関与している論文でした。3報ともフリーで読むことが可能です。禁煙について対面と遠隔医療を比較した論文は、Medical Informatics分野で最もジャーナルインパクトファクターの高いJOURNAL OF MEDICAL INTERNET RESEARCHに発表されていました。 Clinical Efficacy of Telemedicine Compared to Face-to-Face Clinic Visits for Smoking Cessation: Multicenter Open-Label Randomized Controlled Noninferiority Trial 著者名: Nomura, Akihiro; Tanigawa, Tomoyuki; Muto, Tomoyasu; et al. JOURNAL OF […]

Highly Cited Researchers(高被引用論文著者)2019 影響力のある注目研究者6,000名を発表。日本のHCRは昨年の13位から11位に上昇

Highly Cited Researchers(高被引用論文著者)2019 影響力のある注目研究者6,000名を発表。日本のHCRは昨年の13位から11位に上昇 2019年12月  シニアデータコンサルタント 安藤 聡子   クラリベイト・アナリティクスでは2014年から毎年、インパクトの高い、トップ1%の高被引用論文を多く発表した研究者をHighly Cited Researchers(高被引用論文著者 HCR)として発表しています。引用は世界中の学術コミュニティのピアレビューとも考えられますので、学術コミュニティが選んだ6,000人ともいえるでしょう。日本からは今年、100人が選ばれました。これは世界11位の人数です。2019年の6,000人のリストの中にはノーベル賞受賞者24人が含まれています。日本にゆかりのあるノーベル賞受賞者としては2012年に受賞した山中伸弥京都大学iPS細胞研究所所長、1987年に受賞した利根川進マサチューセッツ工科大学教授が含まれています。   目次 Highly Cited Researchers(HCR)とは? Highly Cited Researchers(HCR)の世界動向 日本のHighly Cited Researchers(HCR)について まとめ   Highly Cited Researchers(HCR)とは? クラリベイト・アナリティクスでは科学を大きく21の分野に分け、それぞれの分野で高被引用論文を発表した研究者を表彰しています。複数の領域にまたがって研究している研究者については、2018年以降「Cross-Field」という分野を設けてより科学コミュニティの動きを反映できるようにしています。クラリベイト・アナリティクスでは各種の分析を行っておりますが、HCRは最近11年分の高被引用論文に注目し、最近の影響力のある研究者を見つける試みです。2019年は2008-2018年の高被引用論文から、60か国の6,000人強を選出しました。この中には24人のノーベル賞受賞者、57人のクラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞の受賞者が含まれています。日本全体では世界で11位であり、昨年の13位から上昇しています。   Highly Cited Researchers(HCR)の世界動向 Highly Cited Researchers(HCR)の所属は世界60か国に及びますが、上位10か国に約85%の研究者が集中しています。特に米国には40%を超えるHCRが所属しています。続いて、新興著しい中国が英国を抜いて本年初めて2位になりました。トップ10に入る国では、現在の形式で発表を開始した2014年以来、中国とオーストラリアの伸びが著しいです。 単独の研究機関として、もっとも多くのHCRを有しているのは、2018年に引き続きハーバード大学で、200人を超えるHCRが所属しています。トップ3のスタンフォード大学、中国科学院は単独で100人以上のHCRを有しています。   日本のHighly Cited Researchers(HCR)について 日本で最も多くのHCRを輩出している分野は植物・動物学。免疫学、物理学、化学がそれに続きました。所属機関では東京大学、物質・材料研究機構、京都大学、理化学研究所など、全体で39機関となっています。日本のHCRの人数は全体では昨年より増えました。 また、企業に所属するHCRの方もいらっしゃいます。日本からは以下の2社の研究者の方がHCRを受賞しています。 株式会社ノベルクリスタルテクノロジー ヤクルト 中央研究所 お二人ともCross-Field分野で受賞されています。株式会社ノベルクリスタルテクノロジーの受賞者は代表取締役社長の倉又朗人(Akito Kuramata)氏です。倉又氏は研究者の査読・論文プロファイルツールのPublonsでも、研究成果の一覧を公表されています(倉又氏のPublonsをみる)。190の論文が計5,942回引用されていることがわかります(2019年11月現在)。各論文へのリンクも貼られていますので、世界のトップ研究者の研究成果を是非ご覧ください。   まとめ 2014年以来、クラリベイト・アナリティクスではHighly Cited Researchers(HCR)の発表を継続的に行っています。国ごとでみると単年では増減がありますが、概ね増加傾向にあります。本日は簡単な内容をご紹介いたしましたが、選出方法や2014年以降のリストは、こちらのサイトにご紹介しておりますのでご一読ください。 https://recognition.webofsciencegroup.com/awards/highly-cited/2019/     ­­【データソース】 […]

2025年の崖?デジタルトランスフォーメーションの最新の研究動向を確認して、貴社の備えの見直しをしませんか?

2025年の崖?デジタルトランスフォーメーションの最新の研究動向を確認して、貴社の備えの見直しをしませんか? 2019年12月 シニア・データコンサルタント 安藤 聡子   多くの企業が取り組んでいるデジタルトランスフォーメーション(DX)ですが、御社の進行状況はいかがでしょうか。 現行の基幹システムの老朽化やサポート等の終了が訪れる2025年は「2025年の壁」と言われており、システム部門を超えた全社的な取り組みが求められています。取り組みを具体化するための情報収集に役立つ、デジタルトランスフォーメーションの世界の研究動向や注目の論文についての情報を紹介します。   目次 「2025年の崖」とは? デジタルトランスフォーメーション(DX)の世界動向 デジタルトランスフォーメーション(DX)の注目論文 まとめ   「2025年の崖」とは? 「2025年の崖」とは、多くの企業が取り組むデジタルトランスフォーメーションに関連し、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムの対応に遅れた場合に想定される経済損失などを指します。その規模は膨大で、年間12兆円に達すると予測されています。この状況を回避すべく、2019年7月末に、経済産業省より「DX推進指標とそのガイダンス」が公表されています。   デジタルトランスフォーメーション(DX)の世界動向 「DX推進指標とそのガイダンス」の中では、「システム部門を超えた企業全体での取り組みが必要である」とのべられています。ではデジタルトランスフォーメーション(DX)について グローバルな研究論文の発表動向をみてみましょう。 「Digital Transformation」で英語の研究論文を検索してみると、過去3年間で急激に論文数が伸びていました。現時点(2019年11月)では、2019年のデータはまだ収録途中ですが、すでに2018年の延べ論文数に迫る勢いです。最終的には2018年の論文数を大きく上回ると予想されます(図1)。 なお、論文数が増えはじめた2015から2019年について国別の状況を見ると、ドイツ、ロシア、米国などからの論文が多いです(図2)。研究機関までみてみると別で過去5年間(2015-2019年)では、ミュンヘン大学(ドイツ)や、フラウンホーファー研究機構(ドイツ)が、最も多くの研究発表をしていました。日本からは、富士通が上位に入っています。富士通は企業としては世界でもトップの論文数となっています。(図3) デジタルトランスフォーメーション(DX)の注目論文 2019年の論文に注目してみると、もちろんコンピュータ科学といった科学技術分野の論文が最も多いのですが、経済、経営やビジネスといった社会科学に関する論文の割合が増えており、全体の約1/3を占めていました(図4)。 ここ半年の間に研究者の利用の多かった論文を二報ご紹介します(注1)。両方ともクリックすると出版社サイトで抄録を読むことができます。 ① The digital transformation of innovation and entrepreneurship: Progress, challenges and key themes 著者名: Nambisan, Satish; Wright, Mike; Feldman, Maryann(抄録をよむ) RESEARCH POLICY 巻: 48   号: 8   特別号: SI     記事番号: 103773   発行: […]

2冠の偉業達成!最優秀プロダクトに輝いたKopernioと進化を遂げたWeb of Science

2冠の偉業達成!最優秀プロダクトに輝いたKopernioと進化を遂げたWeb of Science   2019年12月2日   2019年、“The Charleston Advisor“の読者が選ぶ『Readers’ Choice Award』に、Clarivate Analyticsの「Kopernio(コペルニオ)」と「Web of Science」の2製品が選ばれました。“The Charleston Advisor“は図書館員などの情報専門家向けの、ウェブ製品に対する批評からなる査読付き出版物です。   この度、『Best New Products/Service』部門でKopernioが、『Most Improved Product』部門でWeb of Scienceが選ばれました。Kopernioは、利用者が機関購読誌とオープンアクセスに統合的に“ワンクリック”アクセスできる、無料の論文フルテキスト取得ツール(アドインツール)です。   Web of Scienceはご存知の通り、世界中の研究機関で使われている、幅広い分野を深くカバーする引用索引データベースですが、ここ数年力を入れてきたユーザーフレンドリーな製品改善が評価されました。   Kopernioを使ってみる Web of Scienceユーザーサポートページ Web of Scienceのトライアルを申し込む   この記事に関するお問い合わせは Japan.GAInquiry@clarivate.com までご連絡下さい。

MaaS(Mobility as a Service)の最新研究をリードする国は?トヨタや日立の論文も

MaaS(Mobility as a Service)の最新研究をリードする国は?トヨタや日立の論文も 2019年11月 シニア・データコンサルタント 安藤 聡子   ●● as a Service (XaaS)という表現を目にすることが増えた昨今、MaaS(Mobility as a Service)も例外ではありません。MaaSとは – いろいろな種類の交通サービスを、需要に応じて利用できる一つの移動サービスに統合する – と定義されています。しかし、研究者によっても定義が異なり、共通の定義がないというのも現状です。新聞等でもよくみられるようになったこの技術に関して、どの国や企業がリードし、世界ではどのような論文が注目されているでしょうか。   目次 MaaSの論文数の世界動向 MaaSの注目論文 MaaSの日本の注目企業 まとめ   MaaSの論文数の世界動向 MaaSの研究は2013年ころより上昇し始め、2015年から2018年にかけては急激に論文数が増えています(図1)。国別の傾向を見ると、やはり欧米中心に論文数が多く、日本は9位という順位になっています(図2)。 注:論文数は、Web of Science core collection収録のArticle,Review、Proceedings Paper (2019年8月現在)   MaaSの注目論文 「MaaS(Mobility as a Service)」で被引用数の多かった論文 2017年のMobility as a Service: A Critical Review of Definitions, Assessments of Schemes, and Key […]

実はまだ増加しているヒアリ。研究論文から世界の動向や最新の研究を知るには?

実はまだ増加しているヒアリ。研究論文から世界の動向や最新の研究を知るには? 2019年11月 ソリューション・コンサルタント 古林 奈保子   2017年の5月に初めて日本でヒアリが発見された時には大きな話題になり、私も子供に「アリは触っちゃだめだよ」と声をかけたのを思い出します。あれから時折ニュースに出るものの、忘れかけている人もいるのではないでしょうか。国立環境研究所によると、2019年10月の東京港青海ふ頭における調査で、ヒアリは「一定の規模のコロニーを形成しており、多数の有翅女王アリ(50個体以上)を含んでいたことが確認された」としています。南米大陸原産のアリですが、1930年以降北米に、2000年以降にアジア・太平洋地域に広がったと言われています。今回は研究論文から、ヒアリ研究の世界動向と最新の研究成果に迫りたいと思います。   目次 ヒアリ研究の世界動向 ヒアリ研究の注目論文 まとめ   ヒアリ研究の世界動向 ヒアリをトピック(論文タイトル・抄録・キーワードを対象)で検索すると、年々論文は増え、2000年以降急激に論文が増えています(図1)。これはちょうどアジア・太平洋地域への広がりと同時期です。その後、2015年には一度論文数は減少していますが、日本での発見の2017年の前後に、再び上昇に転じています。国別の論文数を見ると、米国が圧倒的に多く、全体の70%の論文に米国所属の著者が含まれています。日本は10位で、2017年の発見以降、論文が増えています。また、ここで特徴的なのは他の分野ではトップ10入りしないことが多い、ブラジルやアルゼンチンが上位10位に並んでいることです(図2)。   ヒアリ研究の注目論文 ヒアリ研究の注目論文をいくつかピックアップしたいと思います。1報目はヒアリのゲノムについての論文で高被引用論文に選ばれています①。こちらは、オープンアクセス論文ですので、どなたでも無料で読むことができます。2報目は日本の研究者が書いた、最近注目度が高い論文です②。ヒアリへの対応について、ワサビを用いる、という具体的な拡散防止に関する論文です。この論文は兵庫県立大学、沖縄科学技術大学院大学、台湾大学による国際共著論文です。   ①ヒアリ研究の高被引用論文(同出版年・同分野で被引用数が上位1%の論文)かつオープンアクセスの論文 The genome of the fire ant Solenopsis invicta(本文を読む) By: Wurm, Yannick; Wang, John; Riba-Grognuz, Oksana; et al. PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES OF THE UNITED STATES OF AMERICA   Volume: 108   Issue: 14   Pages: 5679-5684   Published: […]