「.xxx」ドメイン名のサンライズ保護登録期間満了にともない新たに登場する、アダルト業界向け TLD 強力ブロック ツール

Brian King
Director of Internet Policy and Industry Affairs
Clarivate

サンライズBの保護登録の多くが2021年に10年目を迎え、保護期間が満了となります。サンライズBのブロック登録申請者が期間満了前に対応を行わない場合、第三者が .xxx TLD でそのブランド名の登録を行えるようになります。
2011 年は、ブランド所有者がかつてない課題に直面した年でした。インターネット上の新しいトップレベル ドメイン (TLD) が導入されたためです。この追加によって通常の侵害のリスクがもたらされただけでなく、多くの組織にとっては、そのTLDと関係があると受け取られるだけで評判が損なわれかねないリスクがありました。その10年前に .biz、.info、.museumを含むジェネリックTLD(gTLD) が追加されたときとは異なり、2011 年に導入された .xxx は、アダルト向けコンテンツに特化することが明示されていました。.xxx が導入されるまでの10年は、多くのブランド所有者が自社のブランド名を保護するため、主要な5つまたは6つの gTLD (.com、.net、.org、.info、.biz、場合によって .mobi も含む) およびその企業が事業を展開する国の国別コード トップレベルドメイン (ccTLD) で、防御目的の登録を行う戦略を取っていました。
しかし .xxx ドメインの導入に際して、多くのブランド所有者は、アダルト関連のドメイン名の防御的登録を大量に行うことのメリットを見いだせずにいました。防御的登録を行うことで、自社のブランドとそういったコンテンツが関連付けられてしまう可能性があり、さらに多くの更新費用が継続的に発生するうえ、それらのドメインの登録情報をどうするかという課題が残されたままだったからです。ICM Registry (現在は MMX が買収) がサンライズBのブロッキングサービスを発表すると、ブランド所有者が殺到しました。ブランド名と完全に一致するドメイン名だけでなく、さまざまなスペルミスやバリエーションも保護の対象となったためです。有料の保護申請を行うと、そのドメインがブロックされていることを示す「This domain has been reserved from registration」というページが表示されるサービスで、手ごろな料金を一度支払うだけで 10 年にわたってアダルト関連のコンテンツとの関連性を疑われるリスクを排除できるため、ブランド所有者はこぞってこのサービスを購入しました。

現状
ブランド所有者は必要に応じて、2つの異なる選択肢から対応策を選ぶことができます。MMX は、期間満了を迎えるサンライズB のブロッキングに代わる新しいブロッキング サービスとして、AdultBlock および AdultBlock+ を発表しました。いずれのサービスでも、.xxx だけでなく MMX の 4 つのアダルト関連 TLD (.xxx、.porn、.adult、.sex) がすべて対象となります。AdultBlock+ では、対象ブランドの保護に必要なブロックの数を減らすことができます。商標と完全に一致するドメイン名だけでなく、「ホモグリフ」を使用した商標の表記もすべて対象となり、第三者による登録をブロックできます。ホモグリフとは、たとえば大文字のアイ (I) と小文字のエル (l) とアキュート アクセント付きの小文字のエル (ĺ) などのように見た目が紛らわしい文字で、フィッシング攻撃でよく使用されるものです。

商標権所有者が取るべき対応
2011 年以降、特に 2012 年の ICANN による新しい gTLD プログラムで 1,200 を超える新しい gTLD が世界のドメイン ネームシステム (DNS) に追加されたことを受け、多くの企業がオンラインのブランド保護戦略を進化させてきました。状況に応じて、.adult のように限定的なドメインから .xyz のような汎用のドメインまで幅広い TLD で商標や顧客を保護し続けるために、知的財産権のエンフォースメントの予算が膨れ上がった企業もありましたが、多くの企業ではそのような対応は行われず、効果を維持するためにより高度な新しい対応が社内の専門担当者に求められるようになりました。
新しいブロッキング サービスが登場し続けているため、ブランド所有者は、ドメイン名ポートフォリオの増大を抑えながらブランド保護の水準の維持または向上ができるよう、費用対効果に優れた新しいサービスがないかどうか、少なくとも年に1度は動向を確認する必要があります。
商標権所有者は、サンライズ B の .xxx のブロッキングのうち AdultBlock または AdultBlock+ への変更が必要なものがあるかどうか、また、保護が必要な新しい商標がないかどうかを確認する必要があります。これは、一般に提供されている他のさまざまなブロッキング サービスを検討することも含め、ドメイン名に関する戦略全体を見直す良い機会となります。ブロッキング サービスは、防御的登録を減らしドメイン ポートフォリオの拡大を抑えるのに役立つとともに、サービスごとに独自の機能やメリットを備えています。
たとえば、Donuts の DPML によるブロックは対応する TLD がもっとも多く、Plus はスペル ミスにも対応します。TMCH の TREx は一部の ccTLD に対応しており、UNR の Uni EPS にはホモグリフに対応する Plus 版もあります。新しいブロッキング サービスが登場し続けているため、ブランド所有者は、ドメイン名ポートフォリオの増大を抑えながらブランド保護の水準の維持または向上ができるよう、費用対効果に優れた新しいサービスがないかどうか、少なくとも年に 1 度は動向を確認する必要があります。
MarkMonitor のような企業ドメイン名のレジストラでは、商標を所有しているお客様が最小限のコストで自社の知的財産と顧客の保護を行えるよう、さまざまなブロッキング サービスの料金、機能、メリットをご紹介しています。お問い合わせや、この記事の内容に関するご質問は、こちらからお寄せください。

この記事は、Managing IP に掲載されたものです